近年、長時間労働などによる体調不良やメンタル不調などの疾患が社会問題となっており、企業では健康管理の推進など「働き方改革」や「健康経営」に向けた取り組みが重要になっている。また、職場環境の質の向上に注力する企業も増え、快適に働ける環境づくりが人材の継続的な確保や従業員の生産性の向上に繋がると考えられている。
このような中、日本電気株式会社(以下、NEC)と大和ハウスグループの大和リース株式会社は、オフィスなどで働く人が快適に働ける職場環境づくりを目指して、両社の商品を活用した新システムの有用性を検証するため、2019年10月24日から約1ヶ月の期間で実験に取り組んでいる。
同実験は大和リースの従業員を対象に、リストバンド型のウェアラブルデバイスを用いた「NEC 感情分析ソリューション」を活用して、通常のオフィス内で過ごした場合と、緑と五感でデザインした働きやすいオフィス空間「VERDENIA」内で過ごした場合の感情変化を検証した。
「NEC 感情分析ソリューション」は、NECと名古屋市立大学が共同開発で進めている感情認識技術と、クラウドサービスやTDK株式会社のウェアラブルデバイスなどを組み合わせたシステムだ。リストバンド型のデバイスを装着した対象者の心拍変動データなどをリアルタイムに収集・分析し、「興奮・喜び」「ストレス・イライラ」「憂鬱・疲労」「穏やか・リラックス」の感情を可視化して、スマートフォンなどに現在の感情や1日の感情履歴などを表示する。
また、大和リースの「VERDENIA」は、室内緑化に自然音やアロマ、木製家具などを複合的に組み合わせることで五感に作用し、働く人に新しいリラックスやコミュニケーションの場を創造する空間サービスだ。
実験の途中経過として、「VERDENIA」で過ごした際に従業員の感情が心地良い感情(興奮・喜び)へと改善されていることを確認したと発表している。今後は同実証実験により得たデータを分析し、「働き方改革」や「健康経営」に向けた職場環境を改善する新システムの商品化を目指すとした。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。