NECは、小売業における商品マスタ登録・発注・精算などの店舗業務で発生するデータの参照・集計・更新処理を、クラウドおよび店舗いずれでも実行可能とするシステム基盤「NECリテールシステム基盤」を開発した。
NECは、多店舗展開する国内外の小売業に、同システム基盤を活用した店舗システムを提案していく。
同システム基盤は、NECが長年培ってきた小売業向けの店舗システム開発技術・ノウハウや、社会インフラシステムの24時間365日稼働を支える高信頼技術などを活用して開発されたものだ。
同システム基盤の活用により、様々なデータをクラウドでも管理でき、場所を選ばない業務運用を実現する。
また、店舗でのIoT活用にも対応し、カメラ映像やセンサーデータなど大容量・多頻度データをもとにした新たな顧客サービスの実現に貢献する。
さらに、店舗システム基盤に求められる機能を共通部品として提供することで、個別開発と比較して基盤開発工数の80%程度(注)を低減可能とする。
「NECリテールシステム基盤」の開発背景
近年、小売業においては、オムニチャネルへの対応やグローバル展開の加速に向け、従来の各店舗にサーバを設置する店舗分散型のシステムモデルから、データセンターにサーバを設置するクラウド型のシステムモデルへの変更を検討する企業が増加している。
しかし、ネットワーク障害などが発生すると店舗業務が継続困難となるリスクに加え、店舗でのIoT活用によるデータ量の爆発的増加にともなうネットワーク費用の増加が課題となっている。
一方で、新たな国・地域へのテスト出店や小規模店舗に従来型の店舗システムを導入することは投資対効果が合わず、クラウド型と店舗分散型の混在を可能とする柔軟な店舗システムへのニーズが高まっている。
「NECリテールシステム基盤」の特長
クラウド型と店舗分散型のハイブリッド構成が可能
店舗規模や出店形態に応じてクラウド型および店舗分散型の店舗システムを混在させるハイブリッド構成や、クラウドおよび店舗で発生するデータをリアルタイムに同期することが可能。これにより、場所・時間を選ばない業務運用を実現。また、店舗サーバ障害発生時にはクラウドへ、ネットワーク障害発生時には店舗サーバにそれぞれ切り替えて業務を継続することや、新規出店時における店舗サーバの費用および導入・管理工数の低減などを実現。
マルチOS対応
Windows、iOS、AndroidのOS毎に業務アプリケーションを開発・保守することなく、一つの業務アプリケーションを各OSで利用可能。これにより、多様なスマートデバイスの業務利用や、端末故障時や繁忙時間帯などに他用途で利用している端末を流用することが可能となるため、費用低減や業務継続性の確保などを実現。
店舗でのIoT活用に対応
店舗に設置したカメラ映像やセンサーデータなど大容量・多頻度のデータの処理にも対応しており、求められる処理速度・内容などに応じて、クラウドおよび店舗いずれかでの処理を柔軟に選択することが可能。これにより、収集したデータをもとに新たな顧客サービスや店内状況の把握、各種機器の稼働状況の一元管理を実現。
NECは今後、同システム基盤について、パートナー経由での販売や自社の小売業向けパッケージソフトへの適用なども予定している。
なお、NECは同システム基盤を活用したIoTソリューションを「リテールテックJAPAN 2016」(会期:3/8(火)~11(金)、会場:東京ビッグサイト(東京都江東区))に出展する。
(注)NEC試算による。
【関連リンク】
・日本電気(NEC)
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