マーケティング領域では、ECサイトやE-Mail、スマートフォンアプリなどのオンラインデータと実店舗などのオフラインデータを統合して、有効活用することが必須のテーマだ。一方、各企業が単独で保有するデータだけでの分析では、本来の消費者の姿を正しく捉え切れない状況が課題となっている。そこで、位置情報をもとにした行動パターンデータを活用して正しい消費者像を捉え、より適切なマーケティングに繋げる手法が期待されている。
そこで、TIS株式会社は、独自のAI分析エンジンによる位置情報データ活用プラットフォームを提供するクロスロケーションズ株式会社とデータ利活用領域のビジネス拡大に向けて資本業務提携を行った。
両社では、まず、TISのデータマネジメントプラットフォームサービスであるTIS Marketing Canvasの「データ統合・利活用プラットフォームサービス」とクロスロケーションズの位置情報「Location AI Platform 」を組み合わせて、マーケティング施策の高度化を推進する新サービスを提供する。
新サービスでは、個人を特定せずに企業が保有するデータ分析だけでは分かり得ない顧客特性の類推が可能になり、より効果的なプロモーション・レコメンデーションに貢献する。サービスの特長は以下の通り。
- 自社保有データへの行動パターンデータ適用
自社保有データをTISの「データ統合・利活用プラットフォームサービス」に統合する事で、行動パターンデータを自社のマーケティングへ活用できる。このデータ基盤へのデータ蓄積により、過去の行動パターンデータやマーケティング施策の結果を時系列に比較する事も可能になり、より高度なマーケティング施策が実現できる。 - 広告配信後の実店舗来店効果計測
広告配信後に配信対象者の実店舗への流入結果を分析・比較することで、実店舗への集客効果の計測が可能になる。これにより広告ごと、ターゲットセグメントごとのキャンペーンへの反応や実際の効果を比較できるなど、より効果の高いマーケティング施策の展開が可能になる。 - 顧客のオフライン行動傾向把握
顧客セグメント別のオフラインにおける行動傾向を推定する事ができる。これにより、山や海、デパートやコンビニエンスストア、外食店舗のカテゴリー、野球場やサッカースタジアムなど、対象がどのような場所へ行く傾向が強いのかのスコアリングができる。これを活用して、「自社商品購入の消費者が何処で使用しているか?の推定」や「これまで把握出来なかった利用用途の把握」「消費者ニーズに合った商品企画」が可能になる。 - 顧客セグメント別のオフライン行動比較
顧客セグメント別のオフラインでの行動傾向を比較する事で顧客セグメント間の行動傾向の違いや類似点を理解する事が可能になる。これにより、「アクティブな顧客と休眠顧客の行動傾向から休眠顧客の再活性化施策を立案する」「ロイヤルカスタマーセグメントと類似した行動傾向のあるセグメント調査から、ロイヤルカスタマー化に向けた育成を行う」などが可能になる。 - 顧客セグメント別の行動傾向変化把握
データ統合・利活用プラットフォームに過去の顧客セグメント毎の行動傾向データを蓄積していく事で、特定顧客セグメントのオフラインにおける行動傾向の変化の把握ができる。これにより「継続キャンペーンの見直しタイミングの把握」「変更後のマーケティング施策の方向性を掴む」などが可能となり、商品企画へのインプット情報にも活用できる。
両社は、新サービスを、ECサイトと実店舗を運営する企業やオムニチャネルマーケティングや顧客エンゲージメントの高度化を指向している企業などをターゲットに提供し、将来的にはECサイト以外に、他の業務領域への協業サービスの強化・展開を推進していく予定とした。
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