画像認識の精度が向上した結果、カメラをインターネットに接続し、撮影した画像をクラウドにアップロード後、AIに解析させたいというニーズが高まっている。
実際、今ではカメラに写し出された人数をカウントするという簡単なものから、製造業の不良品検知、建設業のインフラの点検業務の効率化、小売店の顔認証など様々な用途でAIによる画像認識が使われるようになってきた。
AIによる画像認識の普及にともなって、画像をセンシングするカメラも頻繁に使われるようになってきている。実際、株式会社テクノ・システム・リサーチによると、ネットワークの市場規模は金額でいうと2017年に423億円だったが、2021年には572億円と試算されている。
しかし、インターネットカメラは単に市場規模を拡大しているわけではない。その機能や性能は着実にアップグレートされ続けているのだ。そこで、ボストンに本社を置くKatai社が12月3日に発売した360度カメラ「BlueJay」を取り上げたい。
次世代高解像度360度カメラ「BlueJay」

Katai社の「BlueJay」の特徴は、クラウドではなく、エッジ(端末)で画像解析を行えるということだ。エッジでデータ処理を行うことによって、エッジからクラウドへデータを送り、クラウドで処理した結果をエッジに戻すという過程が短縮化される。その結果、処理が高速化する。通信容量も小さくなるためコストの低下にもつながる。
また、BlueJayのもう1つの特徴は360度の幅広い視野を持っているという点だ。360度の視野をカバーしているので、設置しなければならないカメラの台数を最小化できるというメリットがある。
テレビ会議で活躍
Katai社はテレビ会議を提供する企業と連携し、BlueJayを活用した先進的なテレビ会議システムを提供している
まず、会議室に人が入ると、BlueJayが参加者として認識し、自動で追跡し、テレビ上に参加者を映し出す。

もう1人入ると、同様にシステムが参加者として認識するが、同時に画面の割当も行う。つまり、参加者が2人になった瞬間に、テレビの画面は2分割されるのだ。これは3人になれば当然3分割される。

なお、人が映ってない背景も認識し、映し出す範囲から除外するようになっていたり、リモートから参加する人がいれば、その参加者についても割当が行われる。

現在、テレビ会議を行おうとすると、参加者の様子は定点カメラによって映し出され、参加者の細かな様子を判別することは難しい。しかし、このように広い視野を持ちながら、リアルタイムで画像解析を行ってくれるカメラがあれば、テレビ会議も円滑化するかもしれない。
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現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。特にロジスティクスに興味あり。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。