オフィスビル周辺や商業施設内に点在するレストランやカフェなど、さまざまな施設の混雑状況は実際に店舗へ行かなければわからず、人が集中するランチタイムなどは店舗で長時間待たされる場合がある。
一方で、飲食店では混雑が集中してしまうことで満足にサービスを提供できないという課題がある。
凸版印刷株式会社は、空間デザインのノウハウやIoT機器、情報処理技術を組み合わせ、施設の混雑状況をスマートフォンやサイネージでリアルタイムに把握できるサービス「nomachi(ノマチ)」を開発した。
同サービスは、施設の机の裏側などにワイヤレスセンサーを設置し、在席情報をセンシングする。
取得したセンシングデータを元に混雑状況を判別し、スマートフォンやサイネージにリアルタイムで表示する。
これにより、施設に足を運ばずとも混雑情報を把握でき、店を探す手間や店舗での待ち時間を削減することが出来る。
使用するセンサは、安価であり、設置が簡単なため短時間で施工できるほか、既存のサイネージを活用することもできるため、初期費用を抑えて導入することができる。
同サービスの提供開始に先立ち、2019年10月1日から2019年11月29日まで秋葉原周辺の飲食店で実証実験を行った。
飲食店の来客数が実証実験前と比較して約2倍に増加し、混雑時間が分散されたことにより待ち時間の短縮につながったとの評価を受けたため、販売開始することになったという。
今後は、オフィスビルや商業施設、大学、病院への導入を目指し、不動産事業者やデベロッパーなどに向け、2020年4月より本格的に販売を開始する。
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大学卒業後、メーカーに勤務。生産技術職として新規ラインの立ち上げや、工場内のカイゼン業務に携わる。2019年7月に入社し、製造業を中心としたIoTの可能性について探求中。