東急不動産株式会社とソフトバンクグループ株式会社(以下、ソフトバンク)は本年9月14日にソフトバンク本社の移転先となるスマートビル「東京ポートシティ竹芝」を開業した。
また開業にあたり、9月9日に同ビルにて記者発表会とビル内の各種テクノロジーの体験会を行った。
目次
非接触で通過できる顔認証入館ゲート
顔写真が登録されたユーザーが非接触で通過できるゲートだ。マスクを着用していても認証が可能となっている。また、サーモセンサーにより発熱を感知するとゲートが開かないなど、感染症対策が取られている。
エレベーターが空いてる時間を通知するオフィスワーカー向けアプリ

1300個のセンサーからデータを取得しビル全体を快適な状態に保つ、BMアプリ
東京ポートシティ竹芝では館内に1300個のセンサーを設置している。スマートBMアプリではそれらのセンサーから取得したデータから効率的なビルマネジメント業務のサポートをする。
登録した不審者を見つけ出すAIカメラ

ゴミ箱の蓋に取り付けるだけで満空情報を取得するスマートゴミ箱
ゴミ箱の蓋部分に超音波センサーを取りつけることでゴミ箱内のゴミの嵩を計測し、一定以上になるとBMアプリ上でアラートが出る。ゴミの集積は決まった時間にすべてのゴミ箱を回り回収するのではなく、必要なタイミングにだけ向かうようにし、業務の効率化につなげる。
水やりの適切なタイミングを知らせる
花壇や水田の土が乾いているか、適切な水量かをセンシングし、必要なタイミングで水をあげ、適切な育成状態を保っている。
トイレの満空情報をセンシング
トイレのドアにつけられた近接センサによってドアが閉まっているかどうかで満空情報をセンシングする。多目的トイレの場合はドアの開閉情報だけでは人が使用しているかどうかわからないため、人感センサーを使用している。
来店した人の属性を計測するテナント向けアプリ

また、来店客の中でもソフトバンクのユーザーについてはソフトバンクのユーザーデータと紐づけることで女性・男性といった情報も見ることが出来る。
ARの館内案内デモ
5G回線を利用した、ARによって館内の道順を案内するデモが行われていた。
ビルと連携して自力でエレベーターに乗る警備ロボット
SEQSENS社の自立警備ロボット「SQ-2」は、三菱電機社のロボット・エレベーター連携システムにより自身でエレベーターを呼び出し、階を移動しつつ、警備を行うことが出来る。
ロボット呼び出したエレベーターはロボット以外の操作を受け付けなくなるため音声案内が流れる。
公道での実証実験も開始していく、小さな商品を運ぶ自立走行ロボット
自立走行ロボット「Cubitくん」の展示デモがあった。デモではコーヒーの運搬を行っていた。
「Cubitくん」は汎用性の高い自立走行ロボットだ。ポートシティ竹芝では以下の画像のように上部に紫外線除菌ユニットを搭載することで、夜間に事前に指定したルートを走行し館内の除菌を行うという実証実験も開始する。
今回の開業に関して、東急不動産 代表取締役社長 岡田正志氏は「ポートシティ竹芝においてスマートビルの構築に取り組んだ結果、テクノロジーの力により混雑回避や非接触を実現した。これはWithコロナの新時代、働き方改革につながる取り組みとなる。これからも様々な実証実験を行い、最先端テクノロジーが実装されたこの竹芝が都心型スマートシティの先進都市として東京の国際競争力をより一層高めることが出来ると確信している」と述べた。
また、ソフトバンク 代表取締役社長執行役員兼CEO 宮内謙氏は「どこで働いてもいい、自由に働ける環境を作りたいと思っている。しかし、センターとしてのオフィスは重要だ。私は人と人が接することで、違う分野の人が交流することで、イノベーションが起こると考えている。リモートワークをやりやすくすることも重要だが、一方でオフィスに集うことでアイデアが生まれるということも非常に重要だと認識している」と述べた。

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