リクルートテクノロジーズ、IoTで社内コミュニケーション活性化。社員情報が分かるビーコンを開発。

株式会社リクルートテクノロジーズは、Eddystone(※1)技術を活用し、独自開発したビーコンを従業員500名に配布し、2016年4月より社内利用を開始した。

従業員は配布されたビーコンを持ち歩くことで、会議出席者のプロフィール情報をスマホアプリで見ることができたり、今まで直接話したことがない人と気軽にコンタクトをとったりすることが可能になる。

同プロジェクトは、中途入社したメンバーが職場にスムーズに馴染めるよう、社内コミュニケーションの活性化を狙った施策となっている。

 

ビーコンデバイス使用に至った背景~社内コミュニケーションを社内技術力でさらに活性化~

リクルートテクノロジーズは539名(2016年4月1日現在、兼務を除く)の従業員が在籍しており、今後も増える見込みだ。全従業員の8割以上が中途入社のメンバーとなってきており、これまでも、急増する中途入社者がスムーズに馴染めるよう人事部や所属先部署主導で様々な施策を重ねてきた。

今回、さらに社内コミュニケーションを加速させるため、リクルートテクノロジーズ内の研究開発機関アドバンスドテクノロジーラボ(以下、ATL)にて、Eddystone技術を活用したビーコンを独自に開発し、リクルートテクノロジーズの社内で活用することにしたという。

中途メンバー受け入れ時の施策例

●組織説明会
入社直後のメンバー向けに、組織や歴史について人事部から概要を説明するイベント。

●コミュニケーションパートナー(CP)制度
入社直後の中途メンバーが持つ疑問や課題を解消する役割を担うメンバーを割り当てる制度。

●スタンプラリー
入社/転籍直後のメンバーが、配属部署内外の既存の仲間たち(社員)に話を聞いて回るイベント。

●中途懇親会ランチ
入社/転籍直後(前月・当月)のメンバーが集まり、一緒にランチを実施。

 

ビーコンデバイスの使用実例

リクルートテクノロジーズの従業員は、自身のプロフィール情報を発信するビーコンを持ち歩くことで、会議などで近くに来た他の従業員のプロフィールを、自身のiPhoneアプリから参照することができる。またこのアプリからメールや電話をすることも可能。

ブックマークをしておけば、ビーコンの検知可能距離から離れた後でも、情報の確認が可能。また、過去24時間以内に近接したユーザー情報を確認できるため、会議後でも参加者を確認することができる。

ビーコンは、下記のような段取りで使用できるようになる。
[1]専用アプリ「Party」のインストール
[2]専用アプリ「Party」内のプロフィール設定
[3]ビーコンの携帯(社員証と共に首にかけられる)
[4]周囲(約3m以内)に人が近づくとアプリ内に情報が表示(事前に設定したプロフィール)
[5]アイコンをタップすると以下の操作が可能
●所属の確認 ●電話 ●メール送信 ●人の紹介

 

ビーコンデバイスの技術内容とEddystoneの活用

同プロジェクトでATLは、「Eddystone-UID(※3)」を使用。Eddystone-UID/Eddystone-URLのデュアルモードの携帯型ビーコンを独自開発し、それと連動する専用のiPhoneアプリとWebサービスを用意。

特に、ビーコンデバイスに関しては、使いやすさを追求するために、ユーザーID情報をとばす時間の間隔や距離に関する研究と、電池も持ち運びやすい大きさや電池持ちの良さに関する研究を行った。

デザインに関しても、2015年11月の社内コンペで3つのデザインのうちから今回のデザインに決定しており、従業員の声も入れた上で、使いやすさとデザイン性の両方を兼ね備えたものになっているという。

ソーシャルネットワークサービス(SNS)の形(※4)はこれまで、TwitterやFacebookにみられるような「グラフ型」、LINEにみられる「ルーム型」があったが、このビーコンを使用するコミュニケーションの形として、今までにない、言わば「ロビー型」が加わり、今後よりSNSを活用したコミュニケーションの形が多様化していくことが予想される。

 

ビーコンデバイス詳細

・サイズ:63mm/20mm/7mm
・使用電池:リチウム電池(CR1632)
・重量:約10g
・発信間隔:3秒に1回
・発信範囲:3-5m

 

※1:Eddystone
2015年7月にGoogleが発表したビーコンの規格(ビーコンデバイスの振る舞いや発信するパケットのフォーマット)であり、オープンスタンダードを 提唱している。Bluetooth Low Energy(BLE)のアドバタイジングパケットを利用(iBeaconなどと同じ)している。

※2:Eddystone-UID
Eddystoneの仕様には2種類あり、今回使用されているEddystone-UIDはiBeaconに近いもの。暗号データを送るため、専用アプリが必要になる。また、もう一つのEddystone-URLはPhysicalWebであり、URLを発信するので、ブラウザでの受信が可能。

※3:ソーシャルネットワークサービス(SNS)の形
グラフ型・・・それぞれ言葉を羅列し、コメントを積み上げていく形のコミュニケーション(Twitter,Facebookなど)
ルーム型・・・二人、または選択した複数人での限定されたコミュニケーション(LINEなど)
ロビー型・・・不特定多数の人が入り混じったコミュニケーション(ビーコンなどを活用するもの)

 

【関連リンク】
リクルートテクノロジーズ(Recruit Technologies)
グーグル(Google)

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