大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、メンテナンスの手間を省くIoT端末として、低照度の人工照明の光でも動作できる「DNPソーラー電池式Bluetooth®ビーコン」を本日2016年6月22日に発売した。
これは、DNPが本年秋を目処に提供開始予定のIoTを活用した位置情報サービスに向けた取り組みで、今後流通や小売、空港や鉄道などの屋内施設を持つ企業向けに、同端末を販売するとともに関連デバイスやバックエンドシステムの開発を進めていく。
なお、同端末は、羽田空港第1ターミナルで日本航空株式会社が提供する「国内線保安検査場待ち時間ご案内サービス」のスマートフォンアプリ向けに先行導入されている。
開発の背景
商業施設や空港、駅構内などの複雑な構造の屋内施設において、GPSやWi-Fiよりも動作が安定しており、スマートフォンに向けて手軽に施設案内やクーポン配信などができる仕組みとして、ビーコン(発信機)を利用するケースが増えている。しかしビーコンの多くは、電池やAC電源が必要であり、設置後の電池交換や電気工事の作業負荷や費用がかかるといった課題があった。
DNPは、空港や駅構内などでビーコンを利用したクーポン配信や屋内ナビゲーション等の実証実験を行ってきた。今回、その経験を生かし、低照度の人工照明でも安定的に稼動し、メンテナンス等の作業負荷を軽減する「DNPソーラー電池式Bluetooth®ビーコン」を開発し、販売する。
「DNPソーラー電池式Bluetooth®ビーコン」の特長
低照度の屋内人工照明の光で安定して動作
デパートの一般陳列棚におけるJIS照度基準を参考として、照度1000ルクスで安定的に100ミリ秒(1秒間に10回)の信号発信ができる端末を開発。同製品は屋内人工照明の光(200~1000ルクス)で動作し、低照度下での安定性は、同タイプのビーコンと比較してトップクラスだ。
Apple,Google双方のスマートフォンに対応
iBeaconとEddystoneの2つのビーコン規格に対応しており、iOSやAndroidなど、スマートフォンのOSを選ばない。
無線でビーコンの設定変更が可能
ビーコン設置後の設定変更作業の負荷を軽減するため、スマートフォンアプリから無線で動作設定を変更できる機能を搭載した。
※設定には、コイン電池を使用。
製品仕様
外形寸法 | 63mm×115mm(縦・横)×12mm(高さ) |
質量 | 約65g |
ビーコン電源 | 屋内用太陽電池 |
アンテナ | 内蔵(パターンアンテナ) |
送信出力レベル | -16、-12、-8、-4、0、+4 dBm |
設定可能ビーコン仕様 | iBeacon、Eddystone-UID、Eddystone-URL
上記のいずれかに設定可能 |
参考価格 | 1台15,000円(税別) ※ロットによって個別に見積ります。 |
今後の展開について
DNPは流通・小売、外食、アミューズメント、空港、鉄道、高速道路など、屋内施設をもつ企業に向けて同製品を販売し、ビーコンを活用した位置情報サービスおよび関連業務(アプリ開発、サーバー提供、運営など)を含めて3年間で6億円の売上を目指す。
【関連リンク】
・大日本印刷(DNP)
・日本航空(JAL)
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