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1月31日、米スターバックスが、同社のモバイルiOSアプリやAmazonの音声認識サービスAlexa(アレクサ)で利用可能な音声注文機能の展開を発表した。
デジタル顧客体験に力を入れているスターバックスだが、今回発表された機能は顧客が来店する前に注文できるStarbucks Mobile Order & Payアプリの拡張だと見られる。
2016年に多数の企業がチャットボットとAIを受け入れ、スターバックスもこのトレンドを見逃さず、2016の12月にMy Starbucks baristaチャットボットの計画を発表した。そのチャットボットは同社のiOSモバイルアプリに統合した。同時に、Alexaの人気を考慮し、スターバックスはAlexa専用のStarbucks Reorder Skill(再注文スキル)を展開した。
両方の技術は音声を使った注文を実現する。Alexaを使う場合は、顧客が「Alexa, order my Starbucks」(アレクサ、スターバックスを注文して)と言うと、いつも購入している商品が注文できる。
My Starbucks baristaのβテストバージョンは米国内1000人の顧客に提供され、本格的なサービス展開は2017年の夏を予定している。Androidバージョンは今年中にリリース予定。スターバックスは米国内だけで1,300万人のStarbucks Rewardsモバイル会員を誇り、取引の27%以上がモバイルデバイスで実施されている。また、Mobile Order & Payアプリは米国店舗での取引の7%以上を占めている。
スターバックスは、技術を使ってブランドを高めビジネスを成長させる革新的な方法に焦点を当て続けており、2017年はマイクロソフトCEOであるナデラ氏が取締役会の候補者としてノミネートしたことを発表している。
既に3000にも登ると言われているalexaスキル、つまり、Amazonは、3000のデバイスやサービスと連携済みということなのですが、実はこの事実は昨年のニュースだ。
最近CES2017でalexaがたくさんのサービスに使われていることが話題となっていたが、これだけあると、CESのような家電ショーではalexaだらけになるのが既定路線で、そもそも大騒ぎすることではない。
大事なことは2015年にリリースしてから、わずか2年足らずで、地道に多くのサービスと連携するための活動をしていたという事実だ。
拙書「2時間でわかる図解IoTビジネス入門」でも書いたが、家ナカのコントロールエージェントの覇権争いがはじまり、必ずしも入口がgoogleではなくなってきていると言う事実が重要なのだ。(小泉)
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。