経済産業省は、日本チェーンドラッグストア協会と共同で、スマートストア(※1)の実現を目指す「ドラッグストア スマート化宣言」を策定した。
この実現に向けて、まずは電子タグの研究に着手することとし、2025年までに、ドラッグストアの取扱商品に電子タグを利用することについて、一定の条件の下で同協会と合意したという。
1.背景
小売業は、人手不足と労務コストの上昇に直面している。また、大量生産、多頻度配送を通じて高度に効率化されたロジスティクスが実現されている一方、サプライチェーン全体としては食品ロスや返品といった様々な課題が生じている。
加えて、消費の多様化・成熟化に対応するため、小売業は、単に商品を販売するだけでなく、新たな価値を提供することができる業態への転換が求められている。
このため、単純作業を効率化するとともに、様々なデータの利活用を通じたサービスや製品の開発等、新たな価値を創造する仕組みの構築が必要だ。
2.ドラッグストア スマート化宣言
経済産業省では、サプライチェーンに内在する様々な社会課題の解決と新たな価値の創造を実現するため、電子タグ、電子レシート、カメラ、スマート決済、AI等のツールに注目している。
これらのツールを用いて店舗をスマート化し、これまで把握できなかった商品や消費者の動きを解析し、その結果をサプライチェーンで共有することで、最適な流通を実現することができると考えているという。
経産省は日本チェーンドラッグストア協会と次世代の流通について協議した結果、特に電子タグの活用について一定の合意を得ることができたとして、以下のとおり、同協会と共同で「ドラッグストア スマート化宣言」を策定した。
<宣言文>
- 日本チェーンドラッグストア協会は、経済産業省と共同で、スマートストアの実現を目指します。
- スマート化の取組として、まずは電子タグ(RFID)の研究に取りかかります。「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」(※2)の趣旨に同意し、日本チェーンドラッグストア協会としても2025年までに取扱商品に電子タグを実装し、商品の個品管理の実現を目指します。
- 2018年においては、「成長戦略プロジェクト」を始動し、ドラッグストアにおける電子タグを用いた実証実験を行います。
- これらの取組を通じて、単純作業から解放されたスタッフの専門性を高め、サービスの質を向上させます。さらに、電子タグ等のIoT機器から得られたデータを用いて新たな価値の創造に挑戦します。
※1:スマートストア:
AI、カメラ、電子タグなど様々なツールを用いて流通をデジタル化し、業務効率化やデータ利活用による新たな価値の創造を目指す店舗
【関連リンク】
・経済産業省(METI)
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