IoT推進コンソーシアム、経済産業省及び総務省は、カメラ画像について、その特徴を踏まえた利活用の促進を図るため、特定空間(店舗等)に設置されたカメラでのリピート分析を行う際の配慮事項を整理した「カメラ画像利活用ガイドブック ve2.0」を策定した。
1.背景・経緯
経済産業省及び総務省では、「IoT推進コンソーシアム データ流通促進ワーキンググループ」の下に設置した「カメラ画像利活用サブワーキンググループ」において、カメラ画像を利活用する事業者が配慮すべき事項等を検討し、「カメラ画像利活用ガイドブックver1.0」を平成29年1月に公表した。
このほど、同サブワーキンググループにおいて、特に事業者からの検討ニーズの高かった、特定空間(店舗等)に設置されたカメラでのリピート分析(※)についての検討を加え、平成30年1月に改訂案をとりまとめ、同1月18日から2月19日までの間、意見募集を行ったところ、13件の募集意見があった。
これまでの議論及び意見を踏まえ、「カメラ画像利活用ガイドブック ver2.0」に改訂し、意見募集の結果についても取りまとめた。
※リピート分析とは、特定空間(店舗等)に設置されたカメラで、目的に応じて定めた期間、特徴量データ(個人識別符号)を保持して、同一人物が来店した際にそれを識別し、単一店舗もしくは同一の事業主体が運営する複数店舗において、同一の来店客の来店履歴、来店時の店舗内動線、購買履歴、推定される属性(性別・年代等)等を一定の期間に渡り連結しつつ取得し、分析するもの。
2.ガイドブックの概要
(1)位置づけ
生活者と事業者間での相互理解を構築するための参考とするもの(記載された配慮事項を事業者へ強制するものではない)。これらを基に、事業者の業界・業態に応じた利活用ルールの設定が期待される。
(2)適用対象
個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)等関係法令を遵守し、個人を特定する目的以外の目的でのカメラ画像の利活用を検討する事業者(防犯目的で取得されるカメラ画像の取扱いは対象外)。
(3)配慮事項
基本原則及び利活用の過程(事前告知時、取得時、取扱い時、管理時)毎に、配慮事項を整理。
(4)適用ケース
- 店舗内設置カメラ(属性の推定)
- 店舗内設置カメラ(人の行動履歴の生成)
- 店舗内設置カメラ(リピート分析)
- 屋外に向けたカメラ(人物形状の計測)
- 屋外に向けたカメラ(写り込みが発生し得る風景画像の取得)
- 駅構内設置カメラ(人物の滞留状況把握)
※今回の改訂では、上記3)店舗内設置カメラ(リピート分析)のケースを追加。
同ガイドブックは、事業者によるユースケース等の情報を参考に、配慮事項等の検討を重ねたものだ。このため、これが最終版ということではなく、今後同ガイドブックの積極的な周知やフォローアップの結果を踏まえ、今後ニーズが見込まれるユースケースへの対応を含め、必要に応じて追加的な検討を行い、カメラ画像の利活用を更に促進していくという。
【経産省 提供資料】
・「カメラ画像利活用ガイドブックver2.0」(PDF形式:4,836KB)
・「カメラ画像利活用ガイドブックver2.0」概要(PDF形式:925KB)
・意見募集の結果と御意見に対する考え方(PDF形式:533KB)
【関連リンク】
・IoT推進コンソーシアム(ITAC)
・経済産業省(METI)
・総務省(MIC)
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