エコモット株式会社は、セルラーLPWA(LTE-M)に対応したハンディ位置情報デバイス「HLP-200」と、この端末を活用したクラウドサービス「MOTENAZ CLOUD(モテナス クラウド)」を開発し、災害発生時に自治体に被災した外国人観光客の位置情報を提供して被災者へ適宜必要な支援情報の配信をアシストするサービスの提供開始を予定している。
北海道では、2017年に279万人を超える外国人観光客が訪れている反面、宿泊者の季節的な偏りや宿泊客の札幌近郊への集中など地域特有の課題が多くある。また、本年9月6日に発生した胆振東部地震の際には、停電の影響により被災した外国人観光客への避難所開設の情報発信が滞るなどの社会的な課題が浮き彫りとなった。
これらの課題に対し、ハンディ位置情報デバイス「HLP-200」とクラウドサービス「MOTENAZ CLOUD」が開発された。
「HLP-200」は、エコモットが開発したセルラーLPWA(LTE-M)通信に対応し、低コストで人やモノの動体管理を可能とするハンディ位置情報デバイス。小型軽量でバッテリーによる長期間の位置情報収集が可能であり、本体の目立つ位置に配置されたボタンで緊急通報、位置情報送信等が可能。デバイスの状態を視覚的に示すLEDインジケータの点灯と組み合わせて様々なサービスへの応用が可能だという。
「MOTENAZ CLOUD」は、クラウド上に連携した自治体・企業等の観光・防災情報を収集し、外国人観光客に配布したハンディ位置情報デバイスから収集する位置情報データを用い、所在エリアに対応した情報を提供するサービスだ。平常時には来道外国人観光客の満足度向上および安全な滞在に向けた「おもてなしツール」、災害時には位置情報を元にした支援を迅速に行うための「安否確認ツール」として、状況に応じた機能を提供する。
- 観光・災害支援情報提供
外国人観光客のスマホ等のWebブラウザ上に多言語対応したエリア観光情報、観光プログラム等を配信し、観光振興に貢献するとともに、地震や停電等の有事の際の災害支援情報を表示することで地震に不慣れな外国人観光客に対して安心感を醸成し、胆振東部地震の風評被害の払拭を目指す。 - 災害発生時の被災者の位置情報提供
外国人観光客の災害遭遇時に自治体の担当者が現在の被災者の位置情報を確認し、時限的なメーリングリストへ最適な支援情報のメール配信を行うことにより、外国人観光客の安全確保を目指す。
「MOTENAZ CLOUD」のサービス提供開始に向けて、北海道内の様々な自治体・企業等と連携した実証事業に取り組むという。企業連携の第一弾として、株式会社北海道宝島旅行社と提携し、2018年11月21日より、北海道宝島旅行社が運営する体験・滞在交流コンテンツ予約サイト「北海道体験.com」の来道外国人観光客向けの体験型観光プログラムのコンテンツ提供を受け「MOTENAZ CLOUD」のWebサイトに掲載する。
また、今後も「元気です 北海道」キャンペーンに参加している自治体・企業と連携し実証事業を拡大していくという。
【関連リンク】
・北海道宝島旅行社(HOKKAIDO TREASURE ISLAND TRAVEL)
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