観光や生活における多様な移動に関する社会課題の解決には、便利かつ効率的な移動手段の提供が必要であり、近年、鉄道やバスなどの異なる移動手段を統合し提供するMaaSが課題解決に繋がるとして注目されている。
株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、AIを活用したドコモのオンデマンド交通システム「AI運行バス」を、本年4月1日より日本全国で提供を開始する。
あわせて、2017年9月よりスマートモビリティ推進コンソーシアム(※1)の取り組みの一環として実証実験を行ってきた九州大学伊都キャンパスにおいて、同日より商用提供を開始する。
「AI運行バス」は、乗りたいときに行きたい場所まで、自由に移動できるオンデマンド交通システムだ。
リアルタイムに発生する乗降リクエストに対して、AIを使い膨大な計算量から効率的な車両・ルート(乗り合せる組合せ)をリアルタイムに算出する。
利用者がスマートフォンのアプリや電話から行った予約をもとにAIが車両配車を行うことで、利用者にとって効率的な移動を実現する。

ドコモでは、2017年3月より株式会社未来シェアとモビリティサービスプラットフォームの共同検討を開始しており、これまで東京都副都心地区、九州大学、兵庫県神戸市、鹿児島県肝付町、神奈川県横浜市、群馬県前橋市などにおける実証実験を通して、リアルタイムに効率的な車両・ルートを導き出すAI配車機能の確立に取り組んできた。
「AI運行バス」の提供価格は、営業区域(※2)数とバスの車両台数により異なるが、初期導入費用は50万円、月額利用料は18万円(※3)から提供する。
「AI運行バス」は、移動手段に加え、商業施設のサービスを、MaaSプラットフォームとして統合することで、周遊・送客効果を高めるなど、交通と商業施設の連携を促し、交通需要増大および商業施設の売上向上、及び移動の社会課題解決をめざす。
※1 自動運転サービスの商用化など、交通系の新サービス創出をめざした活動を進めるコンソーシアム。
※2 営業区域とは法令により定められるバスの営業区域。
※3 システム内で利用するタブレット・回線費用は別途必要。
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