エイムネクスト株式会社は、宮崎県高鍋町との連携協定により進めてきた実証実験の成果をもとに、中小市町村におけるIoT活用の為の「地域IoTプラットフォーム」を各地域のシステム会社に向けて提供を開始する。
高鍋町で実証した独自のスキームを活用することで、IoT・センサーデータ活用について初期費用や月額使用料を従来のものに比べ10分の1から100分の1と安く実現でき、個別の利用者、アプリケーション毎にデータ収集のためのネットワーク、無線等の準備をすることが不要となり、カバーエリア内でのIoT導入を手軽に始めることができる。
高鍋町では、省電力で接続範囲が広域の通信技術LPWAの1つである「LoRa」と、温室度などデータ量が小さいセンサーに関しては、微弱なエネルギーで自己発電できるエネルギーハーベスティングの近距離無線技術「EnOcean」の2つを組み合わせて活用している。
LoRaのGateWayを数か所敷設することで、高鍋町内全域をカバーできるIoTデータ収集インフラを簡単に安価に実現した。また、EnOceanを活用することで、センサーに対する電源供給が不要となり、センサー設置の自由度が広がり、電源の取り換えなどの保守工数を減らすことができる。
現在までに以下のアプリケーションが開発され、今後様々な用途のアプリケーションがラインアップされる予定だ。高鍋町域内では、すぐに下記アプリケーションの利用を開始することが可能となっている。
- 観光施設の来場者数管理
- 露地畑での温湿度管理
- ビニールハウスにおける温湿度と二酸化炭素量管理
- ホーム・オフィスセキュリティ管理
- 高齢者の見守り
- GPSによる位置情報管理
- 設備稼働状況管理
同サービスでは、各地域のシステムインテグレーターに対して、インフラ構築の機器構成と構築ノウハウや、インフラ構築において必要となるソフト(通信関連 等)、各種アプリケーションと共通機能、データベース、データ分析技術等をソフトウェア、ドキュメント(マニュアル)、トレーニングという形で提供する。
各地域のシステムインテグレーターは、これらを取得、習得することで自社の既存のノウハウ、スキルに依存することなく、サービスを開始することができる。
また、同社が開発した既存のアプリケーションではなく、各地域のシステム会社が独自のローカルアプリを開発した場合、同社の承認を受けることで全地域での公開・利用が可能になる。これは、新規アプリケーションを開発した会社がロイヤリティを受け取る形で共存共栄を図り、重複投資を防ぐエコシステムを発展させる狙いだという。
料金は、環境や提供レベルにより変動はあるが、例えば町内で1,000センサーの利用とした場合、センサー1個あたり月額1,000円前後、10,000センサー利用の場合、センサー1個あたり月額100円~200円程度である。サービスの提供対象は、人口10万人以内の市町村(山間部を除く)の、地域に根差したシステムインテグレーター及び行政だ。
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