2019年8月27日、京浜急行電鉄とサムライインキュベートは「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM」第2期の成果発表を行う「Demo Day」を開催した。
「KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM」とは、京浜急行電鉄とサムライインキュベートによる、地域連携型MaaSの事業を進めるためのプログラムである。2018年11月に事業共創提案の募集を開始し2019年3月に採択事業5社を決定、その後各企業とともに実証実験を行ってきたという。
今回のイベントでは採択事業5社による、事業内容のプレゼンテーションが行われた。
一時荷物預かりサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」
最初に発表したのはecbo株式会社bizdev/執行役員の猪瀬雅寛氏。(下写真右)Ecboが取り組んだのは一時荷物預かりサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」である。

これはコインロッカー不足や行ってみたら空いていない、入れようとしたらサイズが合わない、入れた場所も分からなくなるといった課題を解決するために、利用者が預けることのできる店舗をスマートフォンアプリで選択し、事前に予約、決済するというものだ。
「お店側のメリットとしては空いているスペースが副収入になることや、来店促進による新規顧客の獲得に繋がることが挙げられ、利用側のメリットとしては予約制により確実に預けることができることがある」と猪瀬氏は説明した。
NearMeのスマートシャトル
2番目に発表したのはNearMe代表取締役社長の高原幸一郎氏だ。NearMeが取り組んだのはAIを利用したスマートシャトルの運行である。

これはAIによって複数人を目的地に届けるための最適なルートを割り出し、9人乗りのシャトルを運行するというサービスである。
実証実験では、京急EXホテル品川を始めとする4つのホテルから、港区・中央区・千代田区・台東区内の好きな場所へ移動する、というものが行われたという。
まずユーザーはウェブアプリから行きたいところを選択し、到着希望時間や人数、荷物といった情報を入力する。予約を受けた側は、ピックアップする時間帯を計算し、AIによって最適ルートを算出し、集合場所と時間をユーザーにメールで知らせる。当日ユーザーは指定の場所で乗車することで、目的地へ時間通り到着するという仕組みになっているという。
シャトル自体とドライバーについては京浜急行電鉄が提供し、NearMeは最適ルート最適のためのAIを提供する、と高原氏は語った。
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1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。