亜太電信(APT)は本日、2年以上にわたる調査と開発を経て、台湾初のデュアルネットワーク対応のIoTマルチプラットフォーム「IoT by Gt Smart Life」の開始を正式に発表した。亜太電信は、「Gt 4G」のLTEサービス開始以来、台湾のスマートアイランド化に向けたスマートライフの提案と、IoTプラットフォームの開発に取り組む通信会社として生まれ変わった。
IoT by Gt Smart Lifeは、富士康科技集団(フォックスコン・テクノロジー・グループ)がハードウェアを提供し、FH-NetがLoRaネットワークを実装、そして亜太電信がアプリケーション開発とサービス提供の主要な部分を担当している。主なパートナーはActility、IBM、Semtech、Cisco、Advantech、およびShin Kong Securityなどの端末メーカー、プラットフォーム、ウエハー製造の中工程から後工程に属する企業といった国内外メーカーで構成され、インテグレーションによりIoTのエコシステムを実現している。
亜太電信は製品メーカーや大学、研究機関などを対象に「IoT by Gt Smart Lifeの公認IoTパートナー」を募っている。IoT by Gt Smart Lifeの公認IoTパートナーは、LoRaネットワークを無料で利用する資格を得てシェアリングエコノミーを実現できるという。
亜太電信は、多様な業界にまたがる様々なアプリケーションをサポートするため、省電力広域ネットワーク(LPWAN)通信プロトコルと、亜太電信が持つ4GのLTEネットワークとを組み合わせた台湾のIoT向けのデュアルバンドネットワークを構築した。亜太電信は国内ニーズに対応するため、IoTソリューションの提供に必要な規模を持つネットワークサービスを開始した。すでに台北都市圏、および桃園市に500箇所のLoRaWANのホットスポットを構築しており、台湾のIoT向けのデュアルネットワークをサポートしている。
台湾の「スマートアイランド」の実現に向けて、台湾全土をカバーするソリューションに必要なサービス要件への対応を目指して、今年の年末までに強固な基盤を台湾内に構築する予定。また2020年までには、台湾内のパートナーが提供するネットワークに接続された機器の台数が数億台になることが予想されており、台湾を代表的なIoT国家とするだけでなく、提携パートナーと協力して海外市場にも展開予定だという。
20社以上の電気通信プロバイダを含む、約400もの機関や企業で構成される「LoRaアライアンス」は、スマートシティやスマート工場のビジネスに大きな期待を持つ企業連合により設立された。LoRaアライアンスはActility、Cisco、IBM、Semtech、Microchip、その他のテクノロジーリーダーにより2015年初めに設立されたオープンな非営利団体。IoT向けの長距離、低コスト、かつ省電力な広域ネットワーク技術であるLoRaWANの普及に取り組んでいる。LoRaアライアンスのメンバーは、多国籍企業の電気通信事業者、装置メーカー、システムインテグレーター、センサメーカー、半導体業界の企業、および世界中の企業家などで構成されている。
アライアンスのメンバーは、Actility、Cisco、Eolane、IBM、Kerlink、IMST、MultiTech、Sagemcom、Semtech、Bouygues、KPN、SingTel、Proximus、Swisscom、FLASHNET、およびMicrochipなどです。LoRaアライアンスは、世界規模の多くの企業が協力して知識と経験を共有し、LoRaWANネットワークのプロトコルの普及推進とLoRaWANの世界的な成功の早期実現に向けて共同で取り組んでいる。
IoT by Gt Smart Lifeのデュアルネットワークプラットフォームは、LoRaホットスポットのネットワークと既存の4G LTEのネットワークの両方をサポートしている。また、このデュアルネットワーク対応マルチプラットフォームは、オープンかつ共有型のIoT開発環境を構築するためCisco、Jasper、Actility、およびIBM Bluemixなどのパートナーの技術が統合されている。これにより、開発者はほとんど全てのIoTソリューションの利用に加えて、アプリケーションのイノベーションを加速することが可能だという。
このデュアルネットワークプラットフォームは、Actilityが提供する「ThingPark(シングパーク)」のIoTソリューションが中核を担っている。Actilityは、省電力広域(LPWA)テクノロジーのイノベーターである。ThingParkは、次世代の規格に準拠したIoTプラットフォームである。
IoT by Gt Smart Lifeは、ソリューションの最初のデモ用アプリケーションである「スマートシティ・アプリケーション」および「トラッキングサービス」をリリースした。
- スマートシティ・アプリケーション
Energy Management SystemsとYung Loong Engineeringは、LoRa端末機器を利用して即時に水道・電気・ガスのメーターや履歴の確認ができ、異常の警告が表示されるスマートメーターをリリースする。さらにSecurity Institute of Science and Technologyは、「スマート水位計」をリリースした。このスマート水位計を利用すると水位計、太陽充電、および雲の情報を持つ各データプラットフォームのデータを統合して伝送できる。これにより観測拠点の建設・維持・運用にかかるコストを大幅に削減できる。また水の循環、水はけ、および浸水地の監視に利用することも可能。「Smart City Flood Warning System(スマートシティ氾濫警告システム)」が、IoT水循環監視システムの中に組み込まれているからだという。 - トラッキングサービス
トラッキングサービスを利用すると、LoRaのIoTを活用して自動車、モノ、ペットを追跡し、即時に位置を送信したり「ジオフェンス」の警告を出したりできる。その代表例として富士康科技集団が設計・開発した「LoRa Multipurpose Tracker」などがある。重さはわずか21グラムで、GPSとWiFiが内臓されている。屋内と屋外のどちらの位置測位にも利用可能。また、リアルタイムの追跡には、カスタマイズした位置情報システム(LBS)と組み合わせて利用。LBSの追加で、LoRaや追跡サービスを組み合わせた通過記録、電子フェンス、そして追跡管理などの多数の機能を実装できる。
デモ版の「スマートシティ・アプリケーション」と「トラッキングサービス」に加えて、IoT by Gt Smart Lifeを利用すると、車のインターネット(IoV)、スマート工場、スマート農業、スマートホーム、およびその他の分野にも展開が可能。
【関連リンク】
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