ベライゾンは、アメリカ・カリフォルニア州サニーベールに本拠を置く株式非公開企業Sensity Systems Inc.(以下「Sensity Systems」)の買収契約を締結したことを発表した。今回の買収によって、ベライゾンは同社のIoTプラットフォームであるThingSpaceを活用したスマートシティ・ソリューションのさらなる強化を図り、地域の経済振興や市民の関与・活躍の推進、サスティナビリティの実現を目指す。
今回の買収に係る契約条件は公表されておらず、買収は規制当局の承認に従い、2016年第4四半期に完了する見通し。
ベライゾンのエンタープライズプロダクトおよびIoT担当シニアバイスプレジデント、マイク・ランマン(Mike Lanman)氏は、今回の買収について次のように述べている。「今回の買収によって、スマートシティ・ソリューションの大規模展開を加速し、都市や大学、各種施設のデジタル・トランスフォーメーションの推進につなげることができます。ベライゾンはネットワークやプラットフォーム、アプリケーションのインフラ投資を通じて総合的なソリューションを提供できるユニークな立場にあり、コミュニティの広範におよぶ課題にも対応できます。」
Sensity SystemsのCEO、ヒュー・マーティン(Hugh Martin)氏は次のように述べている。「急速な都市化によって、世界各国で市民サービスの多大なひずみが生じています。消防や緊急サービス、公共交通、信号、下水設備や公衆衛生システムなどの基幹機能を支えているインフラの老朽化に伴い、効率の低下も招いています。Sensity Systemsは、IoTがこうしたジレンマを打ち破るカギを握っていることに早くから着目し、先見的なスマートシティIoTプラットフォームを構築し、強力なテクノロジーパートナーとのエコシステム形成でこの分野におけるリーダーの地位を築いた。今後、ベライゾンと共に、大規模なIoTのコネクテッドシステムを提供し、世界中の都市やコミュニティの運営形態を変えていけるものと期待しています。」
ベライゾンは駐車場、照明、交通管理、セキュリティを始めとする数々のコネクテッド・インテリジェントソリューションを開発し、地域コミュニティの住みやすさや障害からの回復力を向上させ、公共の安全を高めている。IoT事業の一翼を担う同社のスマートコミュニティ部門では、ThingSpaceを通じたIoTアプリケーション開発の簡素化にも取り組んでいるという。
Sensity Systemは、今後数年間でLED照明に置き換えられていくことが予想される世界の40億個以上の照明を活用し、センサーに対応する高速なマルチサービス型IoTプラットフォームを開発している。このプラットフォームはエコシステムパートナーを通じて、すでに世界42カ所のスマートシティに設置されており、施設や照明設備を所有する自治体は、エネルギーの効率化やコストの削減と連動して、公共の安全や駐車場管理、資産管理や情報分析といった事業目標の向上を実現しているという。
【関連リンク】
・ベライゾン(Verizon)
・Sensity Systems
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