コープおきなわ、沖縄ガスなど、スマートコミュニティ構築事業可能性調査開始

生活協同組合コープおきなわ、株式会社エプコスマートエネルギーカンパニー、沖縄ガス株式会社は、経済産業省の「平成26年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金(構想普及支援事業)」に採択された。

 

【背景】

沖縄県内の電力事情の特徴として、県外の電力系統と連結されていない単独系統であることにより、すべての電力を県内における発電でまかなわなければならないことのほか、他の電力会社からの電力融通ができないため電力の安定供給面でのリスク管理が重要だ。

沖縄県は、台風や津波など深刻な災害リスクを抱えており、これらの災害に見舞われた際の電気・熱・水の生活インフラ対策が強く求められている。特に全国的に一大観光地である那覇市にあっては、訪日外国人も含めた観光客の災害リスクの低減が重要。

また、沖縄県は電力使用量全体の99%以上を火力発電で占められている。そのため県庁所在地である那覇市もエネルギー供給源の大部分を石炭や石油などの化石燃料に依存しており、石油・石炭依存度の低減、エネルギー源の多様化を図ることが課題にあげられる。こうした課題を背景に分散型かつ防災型の低炭素スマートコミュニティの構築が求められている。

那覇市は平成27年3月に那覇市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を策定し、基本方針の一つとしてスマートコミュニティの構築を目指している。 その施策として今回の経済産業省の「平成26年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金(構想普及支援事業)」に参画した。

 

【事業の概要】

那覇市のエネルギー問題に対しては、地域の地産資源である再生可能エネルギーを最大活用した、分散型かつ防災型の低炭素スマートコミュニティの構築が解決策として有望であると考えてられている。そこで、本事業では沖縄県那覇市おもろまち周辺、奥武山周辺を調査地域とし、スマートコミュニティの構築可能性を調査し、実現に向けて取り組んでいく。

低炭素化に向けた取り組みとして、那覇市の地域資源の賦存量、再生可能エネルギー導入賦存量の把握など、地産資源の導入に向けた検討を行う。併せて蓄電池、コージェネレーションシステムの有効活用方法を検討することで、電気、熱両面から分散型かつ防災対策を施すスマートコミュニティの構築可能性を検討していく。

また、導入後の電気の管理主体として、那覇市における電気小売事業者の事業性の検討を進めていく。併せて市民へのエネルギー・生活に関するアンケート調査を行い、電気小売事業者による提供サービスの立案を進めていく。

 

【目的】

(1) 那覇市の地域資源の賦存量、再生可能エネルギー導入賦存量の把握
(2) 那覇市における蓄電池、コージェネレーションシステムの有効活用方法の検討
(3) 那覇市の電気、熱両面から防災対策を施すスマートコミュニティの構築可能性の検討
(4) 那覇市における電力自由化の特定規模電気事業者の安定的運営方法の検討

 

【調査項目】

(1) おもろまち地区・奥武山地区施設の電気・熱需要
・おもろまち地区・奥武山地区大規模施設の電気・熱需要を調査。ビジネスホテル、あっぷるタウン等商業施設、病院、マンション一括受電調査他
・熱需要補完として、太陽熱、都市ガスコージェネレーションシステム排熱利用の検討

(2) 那覇市の水溶性天然ガス、太陽熱の導入可能量
・水溶性天然ガス基本数値は、沖縄県の調査報告書資料(奥武山ガス井からの産出量等)を採用

(3) コージェネレーションシステムの導入可能性
・おもろまち地区の熱需要に合わせたコージェネレーションシステム機種の検討
・同コージェネレーションシステムの発電量を試算、どれくらいの供給能力になるか検証
・沖縄電力、託送料金を試算、売電価格、設備費用等、事業収支を試算

(4) 地域PPS事業の事業性の検討
・需要家規模、事業エリアの調査
・需要家としてのマンション一括受電の調査
・システム運用体制の検討
・収支計画の作成

 

【スケジュール】
コープおきなわ、沖縄ガスなど、スマートコミュニティ構築事業可能性調査開始

 

【検討会議参加団体の役割】

<那覇市>
1.検討会議体への参加
2.地域の電気小売事業者から電力を購入する施設の検討への協力
3.HEMS普及にあたってのアンケート調査の告知・実施への協力
※但し、アンケート調査は市民である組合員を対象にすればコープおきなわで実施

<生活協同組合コープおきなわ>
1.那覇市と協議し、事業主体者決定、検討会議体への参加者選定
2.スマートコミュニティの構築方針の決定
3.地域の電気小売事業の運営主体として管理・監督
4.生活支援サービスの検討

<株式会社エプコ>
1.スマートコミュニティ構築にかかる「事業可能性調査」「事業計画策定」
2.電気小売事業計画策定
3.HEMSアプリケーションを活用した生活支援サービスの検討

<沖縄ガス株式会社>
1.熱需要量のシミュレーション
2.家庭用燃料電池コージェネレーションシステム導入のための調査協力
3.水溶性天然ガス開発事業調査協力

 

【今後の展開】

2016年2月、本事業終了。

その後、那覇市にて電気小売事業を行う事業体をコープおきなわの主導によって設立を検討し、事業開始を目指す。

沖縄ガスは、那覇市内公共施設(病院・災害避難施設)へのコージェネレーションシステム導入を目指す。

エプコは、生活支援サービスの導入準備を開始する。

 

【各社会社概要】

<生活協同組合コープおきなわ>
コープおきなわは、組合員数およそ21万人を有し、組合員に対し生活物質の配達などで消費者の生活を支えてきた実績がある。コープおきなわは、那覇市にて電気小売事業者を共同事業体として設立を検討し、スマートコミュニティ内の需要家に電力を販売することを志向するほか、組合員の各家庭にHEMSを設置し、電力情報の見える化を図り、電力情報の利活用によるサービス設計も行うことを企画している。

<株式会社エプコ>
株式会社エプコは、電気小売事業者を目指す企業、自治体に対して設立から運営のコンサルティングを行っている。独自開発したHEMSアプリケーションを活用し、福岡県みやま市での大規模HEMS情報基盤整備事業に参加し、市民への電力情報利活用サービスの実証事業を進めている。

<沖縄ガス株式会社>
沖縄ガスは、那覇市内の約53,000世帯(平成27年6月末)に都市ガスを届けている。長年かけて培ってきたノウハウを活かし、新たなエネルギーのご提案も行いながら、「お客さまが期待するエネルギーとサービスを提供し続ける企業」を目指し、取り組んでいる。

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