横浜市住宅供給公社と富士通株式会社は、IoTを活用して高齢居住者の生活状況や健康状態を遠隔で見守るサービスについて、その有用性や事業性の検証を行うことを目的とした協定を締結した。まずは、「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc(メタアーク)」(注1)で展開している「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE(ユビキタスウェア) 居住者の見守りソリューション」(以下、居住者の見守りソリューション)を活用した実証を、横浜市住宅供給公社の所有する賃貸物件において、本日4月20日より6カ月間実施する。
同実証では、室内に設置した「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE リモートケアベース」から、プライバシーに配慮した生活音や温湿度をセンシングし生活状況の把握や異常時の早期発見を行うほか、看護師が常駐する富士通グループのコールセンター(注2)から定期的に体調を確認する。また、居住者からの緊急通報や、居室内で発生したトラブル対応、家事のサポートの依頼もコールセンターで受け付けるという。
横浜市住宅供給公社と富士通は、同実証を通じ高齢居住者の満足度や効果を検証したのち、横浜市住宅供給公社が所有する賃貸物件において付加価値サービスとして提供することを検討していく。両社は同取り組みを通じ、高齢者を中心とした居住者の安心・安全で快適な暮らしを支援し、居住空間の価値を高め、魅力ある住まいづくりを行っていくとしている。
実施施設:横浜市住宅供給公社 賃貸物件
実施期間:2017年4月20日から10月31日
実証内容は以下の通り。
- 音や温湿度のセンシングによる見守り
居室内での生活音・異常音、温湿度をセンシングし、富士通独自のアルゴリズムで分析することで、居住者の生活気配の有無や熱中症レベルを見守る。異常検出時には、24時間365日看護師が常駐するコールセンターから状況確認を行い、必要に応じて家族や協力員に連絡する。 - 居住者からの緊急通報・健康相談の受付
居住者からの緊急通報を24時間365日コールセンターで受け付け、必要に応じて家族や協力員に連絡。健康相談は、センシングし収集した咳やいびきなどのデータをもとに、コールセンターに常駐する専門資格を持った看護師が行う。利用回数制限などはないため、気軽に相談することが可能。 - お元気コール
居住者へ生活状況を確認する電話をコールセンターから定期的に発信。センシングした咳やいびきなどのデータをもとに、健康アドバイスも行う。 - 快適な生活を支援するサポートサービス
居住者からの要望にもとづき、電気・水道のトラブルサポートや管球交換などの家事サポートを専門業者により行う。
「居住者の見守りソリューション」の構成要素は以下の通り。
- 居室内のセンシング
・会話を除去しプライバシーに配慮した音響分析を中心としたセンシング技術により、居住者の生活状況や健康状態を把握する「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE リモートケアベース」 - データ活用クラウド基盤と活用技術
・IoTデータ活用基盤サービス「FUJITSU Cloud Service K5 IoT Platform」
・センサーアルゴリズム
・データ可視化アプリケーション - コールセンター
・自治体の高齢者向け緊急通報事業を中心に約30年の対応経験を持つ富士通グループのコールセンター - 生活支援サービス
・提携している専門業者による、支援が必要な現場へ作業員を派遣するサービス
今後、横浜市住宅供給公社と富士通は、実証を通し、実際の住環境におけるセンシングの測定精度や居住者からの評価の検証を行ったうえで、横浜市住宅供給公社の全賃貸物件における付加価値サービスの提供を検討していく。
注1 MetaArc:クラウド、モバイル、アナリティクス、IoT、AIなどの最先端技術と、富士通のシステムエンジニアの知見・ノウハウを融合したデジタルビジネス・プラットフォーム。
注2 富士通グループのコールセンター:富士通ソーシャルライフシステムズ株式会社が運営。
提供:富士通
【関連リンク】
・横浜市住宅供給公社(Yokohama JKK)
・富士通(FUJITSU)
・富士通ソーシャルライフシステムズ(FUJITSU SOCIAL LIFE SYSTEMS)
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