中部電力は、2030年に向けたグループビジョンを策定しており、その中で、「効率的なエネルギー利用への貢献とあらたなエネルギービジネスの展開」「外部の見識も入れるという意味で、オープンイノベーション」という新たな価値創出をしたいと考えているという。
実は、すでに2017年6月9日には「COE(こえ)」というサイトがオープンしており、コ・ワーキングスペースの立ち上げなどで、具体的なアクションを始めていたのだという。
今回の取り組みに対して、中部電力の電力ネットワークカンパニー ネットワーク企画室 主任 鈴木亮氏と、同スタッフ副長 市橋数理氏にお話を伺った。
COE Business factory 2017
鈴木氏によると、「中部電力と一歩先行く事業創造を」という考えの元、事業化を目的としたハッカソンが開かれるという。
テーマは主に「地域貢献」や「社会問題の解決」だという。中部電力のエリアでも人口減少や少子高齢化、地方経済の発展というテーマが問題になっていて、中部電力の経営資源を活用して以下の7部門の事業領域について行うということだ。
- メディカル・ヘルスケア
- 物流
- 社会インフラの維持運用
- 産業活性化
- インバウンド
- 街の活性化・スマート化
- くらしの快適
活用できる経営資源としては、スマートシティ分野では必須となる電力の利用状況や気象データを初めとして、設備の運営ノウハウや、エリア全域での人材の配置などが考えられる。他にも電柱や送電線の活用も可能ということで、スマートシティで問題になりがちな、場所の問題、ヒトの問題、デバイスに対する電力供給の問題を解決することができるというところが大きい。
革新性を重視したいということで、思いもつかないアイデアが出てくることが望まれる。
詳細・応募: COE Business factory 2017
スマートポールプロジェクト
スマートポールとは、「スマート化された電柱」のことだ。これまでも、電柱に電子ペーパーをつけるなどのIT化は検討し進めてきたという。
今回は、電源が取れてネットワークも来ているという状態のアセットを活用して、中部電力との協業を行う企業を探しているということだ。
これまでの例では、DNPと共同で電柱看板を電子ペーパーで行う問いうケースや、SONYとLPWAの実証実験を行うというケースがあったということで、すぐにサービスインできるような製品を持っている企業からの募集を求めている。
電柱に防犯カメラを付けてセキュリティ対策を行う、煙センサーを付けて火事の気配を検知する、騒音センサーを付けて騒音状態を取るなど、これまでもスマートシティで考えられてきた様々な取り組みを提案できる場となるのだ。
詳細・応募: スマートポールプロジェクト
COE技術・ソリューション提案公募2017
3つ目が、中部電力に対するソリューション提案の募集だ。
中部電力としては、様々なテクノロジーを取り入れることで、時代に遭った取り組みを行い、事業の効率化などを図りたいという。
そこで、以下のような内容について、課題解決に取り組んでくれる企業を募集するというものだ。
- 樹木の自動判別技術
- 設備状況の遠隔確認
- 持ち出し機器・書類の紛失防止
- 社有車の運行管理
- 議事録作成支援技術
これらの課題解決のためのテクノロジーは既存のモノも多いはずだ。ふるって参加してみてほしい。
詳細・応募: COE技術・ソリューション提案公募2017
応募開始は7月13日から
これら、3つのプロジェクトへの応募は、7月13日からとなっているが、説明会があるものもあるので、事前に詳細を確認してほしい。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。