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ISIDと双日グループがスマート漁業の共同実証実験を開始、AIで養殖マグロをカウント

株式会社電通国際情報サービス(以下ISID)は、双日株式会社および双日の子会社でマグロ養殖事業を展開する双日ツナファーム鷹島株式会社と共同で、ディープラーニングを活用した画像解析技術を用いて養殖マグロを自動カウントするシステムの共同実証実験を開始した。

本実証実験は、2017年8月1日より10月31日まで、双日ツナファームが運営する長崎県松浦市の漁場において行われる。

実験のねらい

双日ツナファーム鷹島では、マグロの稚魚を買付け、洋上の生簀の中で約3年かけて育成した後に水揚げ、出荷しているが、生簀内の環境が刻々と変化する中で、給餌の量・方法・タイミング等の判断は経験則に基づく属人的なものとなっている。

中でも、重要な判断基準の一つとなる養育個体数の把握については、ダイバーが水中撮影した動画を用いて複数の作業員が長時間かけて目視でカウントしており、作業負荷軽減や正確性向上が課題となっている。今回の実証実験は、こうした養殖漁業における事業課題を、先進のテクノロジーを駆使して解決しようとする試みだ。

ISIDは、2015年に設置した2020テクノロジー&ビジネス開発室を中核として、ビッグデータ・人工知能(AI)・ロボティクス等の先進テクノロジーを活用した新規ビジネス創出を加速させている。

この一環として、ディープラーニングによる画像解析技術をスポーツやものづくり等の様々な領域に適用する取り組みを進めている。本実証実験では、この知見を生かし、視認性の低い海水中で移動する魚群の個体数把握に適した撮影環境の構築とディープラーニング・アルゴリズムの適用により、自動カウント化を可能とするシステムの実現を目指す。

実証実験の概要

本実証実験では、養殖マグロの生育環境を踏まえた上で、1.ディープラーニングによる解析に適した映像撮影を行う方法の確立 2.個体数把握に適したディープラーニング・アルゴリズムの適用 の2点をポイントとしてプロトタイプシステムを開発し、その有用性を検証する。

1.マグロ養殖における撮影方法の最適化

現状行われているダイバーによる水中撮影では、撮影にかかる作業負荷が高い上に、天候や水の透明度、撮影位置等の条件に映像の品質が大きく左右される。

ディープラーニングによる画像解析の精度向上には、映像自体の品質を上げることも重要なポイントとなるため、本実証実験では、高性能水中カメラや水中ドローン等の最新機材を用いて撮影作業をリモート化するとともに、生簀の配置調整やバックスクリーンの設置など撮影環境の最適化を図り、解析に適した映像を自動で撮影できる仕組みを構築する。

2.個体数把握に適したディープラーニング・アルゴリズムの適用

本実証実験では、画像の「どこに」「何が」写っているかをリアルタイムかつ高精度に推測する一般物体検出のためのディープラーニング・アルゴリズムと従来の画像認識技術を組み合わせたプロトタイプシステムを開発する。

マグロを認識させるための学習データを整備した上で、視認性の高い場所にフォーカスした映像の抽出や、連続したフレームに出現する個体を同一個体とみなすといった独自のデータ処理を行うことで、海水中を高速で泳ぐマグロを正確にカウントするシステムの構築を目指す。

なお、このプロトタイプシステム開発は、解析アルゴリズム開発に強みを持つベンチャー企業である株式会社アラヤの技術協力を得て実施する。

ISIDと双日グループがスマート漁業の共同実証実験を開始、AIで養殖マグロをカウント

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