大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、「位置情報に特化したIoTプラットフォーム」を活用し、自治体や企業が実施する観光や特産物のPRなどのイベントの活性化に向けて、参加者への情報発信や参加者の動線分析を手軽に行えるサービスを開発し、2018年1月から提供する。
近年、地域活性化施策としてさまざまなイベントが開催され、その数は全国で年間2万件以上と言われている(社団法人日本イベント産業振興協会 平成20年計測データより)。しかし、運用する人手が不足して開催が困難となるイベントのほか、集客に苦労するイベントなど、すべてが活性化されているとは言えない状況だ。
DNPは、参加者の位置情報を取得できる機器として低照度の照明光で動作し電池交換の不要な「DNPソーラービーコン」とスマートフォンを使用して、イベント会場と連動した各種情報の提供や参加者の動線分析を手軽にできるサービスを開発した。位置情報サービスに必要なプログラムをパッケージ化して、クラウド環境で提供する。
同サービスにより、イベントエリア内での相互送客、参加者の動線取得、セミナーの電子アンケートなどが可能となる。
なお、「超渋谷展/SUPER SHIBUYA EXPO」の一環として実施される音楽イベント「Shibuya Music Scramble 2017」および「DDSS: DIVE DIVERSITY SUMMIT SHIBUYA 2017」において、DNPソーラービーコンを利用して特定した参加者の現在位置に応じて、下記のサービスを行うという。
- イベントのタイムテーブルや内容紹介等の情報を参加者に配信
- 配信ログをサーバーに蓄積して分析することで、イベント中に参加者の利用ルートを解明して、主催者に提供(個人を特定するものではない)
- カンファレンス・セミナーでは、参加者に対して電子アンケートを実施し、反応などを分析。また、イベント後の参加者へのフォローアップとして関連書籍の情報を提供
また同サービスによって、以下の効果が期待される。
- 参加者は、イベント関連情報を適切な場所で、適切なタイミングで受け取ることができる。また、イベントのスケジュールを見逃しにくくなるため、集客効果も期待でき、主催者が拡声器やチラシなどで集客する業務負担の軽減につながる。
- 参加者は興味・関心が高まっているイベント直後に関連書籍などの情報(honto利用)を提供することで、イベントのテーマに関する知識を深めることができる。
- 主催者は閲覧ログの分析などによって参加者の動線や興味・関心の傾向などを把握できるため、会期中の追加施策や次回に向けた改善策などの検討につなげることができる。
【関連リンク】
・大日本印刷(DNP)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。