株式会社リキッド・デザイン・システムズは、保育士の負担を軽減する、呼吸見守りセンサー「IBUKI PLUS(イブキプラス)」を開発、2017年12月4日に販売を開始すると発表した。
保育施設では、乳幼児の睡眠中、5分おきに呼吸を確認することが義務づけられている。うつぶせ寝による事故防止策の一環だが、これにより見守りをする保育士に身体的、心理的な負担が増加しているという。
「IBUKI PLUS」は、そのような問題を解決するため、保育園・託児所等の施設向けに開発された呼吸見守りセンサーだ。
従来のセンサーは乳幼児の呼吸による体動を検知するものだったが、「IBUKI PLUS」は横隔膜の動きを検知して呼吸をモニターするため、より正確に呼吸の見守りが可能になるという。
センサーを使った見守りの仕組みは、まず、ベビーマット等の下に設置した専用センサーマットを通じて、本体センサーが30秒毎の平均呼吸数を測定。
専用アプリの入ったiPadと連携させると、測定した呼吸数が自動的にアプリ内に記録される。測定した呼吸数は5分毎に自動集計されるため、呼吸チェック表の作成業務など、事務作業の効率化が可能になる。
目次
呼吸見守りセンサー「IBUKI PLUS」の3つの特徴
独自技術を採用し、呼吸そのものを測定
独自のバイタルセンサー技術を応用し、横隔膜からの微弱な動きを検知。装置は身体に直接ふれない非接触型で、寝付いた子どもの睡眠を妨げない。
スイッチひとつで簡単操作
本体センサーをマット等の下に置き、スイッチを入れればすぐに見守りを開始できる。アプリを起動すれば、記録も自動で始まる。
導入時の設置サポート
導入時にはオプションで設置サポートも受け付けている(有償)。すべて国内工場で生産した国産品であり、万一トラブルがあった場合にも速やかな対応が可能だという。
「IBUKI PLUS」開発の背景
乳幼児のうつぶせ寝は睡眠中の窒息事故の原因になり、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクも高まると言われている。睡眠中の事故を防ぐため、保育施設では乳幼児が寝ている際には数分おきに呼吸をチェックすることが義務づけられている。
しかし、これを実行するために保育士の業務負担が大幅に増していたのだという。
リキッド・デザイン・システムズは、独自のバイタルセンサーと、これを使って測定したデータを解析する技術を保有している。
この技術を活用し、乳幼児の呼吸をモニターするセンサーを開発し、センサーと専用アプリを使った見守りの仕組み「IBUKI PLUS」をリリースするに至った。
「IBUKI PLUS」は保育施設に特化した商品で、iPad1台で同時に最大6人まで利用可能。また、保育現場からの声をとり入れ、操作性を追求、iPad上に記録した睡眠状態の記録をPCに転送できる機能も追加された。
「IBUKI PLUS」製品概要
使用方法
- 専用センサーマットと本体センサーをつなぐ。
- 専用センサーマットに置き、上にマットを敷いて子どもを寝かせる。
- 本体センサーのスイッチを入れる。(測定の開始)
- iPadアプリを起動する。(記録の開始)
基本機能
- 呼吸数の測定(30秒毎に平均呼吸数を測定)
- 睡眠状態の測定(呼吸数と体動から、安定/体動/離床/注意を判定)
- 異常時のアラーム(測定値に異常が見られた場合、センサー本体が音で警告)
- 呼吸数の記録(アプリ内に30秒毎の平均呼吸数を記録、5分・10分・30分・60分毎に自動集計)
- 睡眠状態の記録(アプリ内に30秒毎の睡眠状態をスタンプで記録、5分・10分・30分・60分毎に自動集計)
- スイッチ切り替えにより介護等、成人の利用も可能
アプリ仕様
Bluetooth接続可、日本語・英語・中国語対応
基本価格
標準セット1式:442,000円(税別)
※4人対応
※1人〜6人までセット内容は変更可能
標準セット内容
- センサー本体 +専用センサーマット+専用バッテリー+ACアダプタ 各4台
- 専用IBUKIアプリ搭載済みiPad (WiFi/32GB) 1台
- 設置マニュアル、取扱説明書、保証書
※オプション
設置サポート(関東近県)、オリジナルマット「楽呼吸IBUKIベビーマット」の追加、専用センサーマット収納ケースの追加、コッドベット仕様への変更等
【関連リンク】
・呼吸見守りセンサー「IBUKI PLUS(イブキプラス)」
無料メルマガ会員に登録しませんか?

技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。