東芝インフラシステムズ株式会社は、多機能画像センサ「SMART EYE SENSOR MULTITM(スマートアイセンサーマルチ)」を11月より発売すると発表した。
同センサは、東芝デバイス&ストレージ株式会社が開発した画像認識プロセッサ「Visconti」を搭載し、画像情報より人物の在/不在やおおよその人数・活動量などを検知可能な多機能人感センサだ。
東芝インフラシステムズは、同製品を照明・空調・エレベーターなどファシリティ(設備機器)やBEMSなどと連携することにより、IoTを活用して省エネや快適性、利便性などファシリティのポテンシャルの向上に貢献するとしている。
センサ1台でさまざまな情報を取得可能
赤外線の変化を検出する従来の焦電型赤外線センサ(センサの検知対象内の人体と周囲の温度差による赤外線エネルギー量の変化を検知)では、人の大きな動作がないと検知できないため、照明制御を行う場合、人の動きが小さい時には消灯してしまうなどの問題があった。
しかし今回のセンサは、画像情報により人の微細な動きを検知可能なため(最小検出対象は0.5m/s以上の速度で移動する15cm角以上の物体)、オフィスで着席しているデスクワーク中の執務者も検知できる。また、周囲の明るさも把握(照度推定)でき、照明の調光制御などに活用すれば、別途、照度センサを設置する必要がない。
さらには、検知エリア内のおおよその人数や活動量を推定して、ファシリティの制御に活用することができる。その際、歩行中(通り過ぎる)か滞留(そのエリアにとどまっている)かを判別して、通りすがりの人物を誤検知して制御に影響を与えないようにすることで、より効果的なファシリティの制御が可能になるという。

広範でフレキシブルな検知により、さまざまな活用シーンに対応
同センサの検知範囲は、9m×9m(机上面※床面から0.7m高)だ。検知範囲を最大9エリアまで自由に分割可能で、通路など検知対象から除外したい場所は非検知エリア設定(マスク)することもできる。
現行の赤外線センサを4台設置した広範囲をカバーできるとともに、フレキシブルな活用が可能だ。また、設置高さ8mまで検知可能で、工場や倉庫などの高天井空間にも対応できる(3m以上は歩行検知)。
ファシリティのスマート制御や防犯・防災への応用
BEMSなどと連携することで、照明・空調・エレベーターなどファシリティの連動制御や防犯・防災への活用など、高性能かつ効率的な制御が可能になり、省エネしながらその空間に適した快適性・利便性の提供ができるという。
【関連リンク】
・東芝インフラシステムズ(Toshiba Infrastructure Systems & Solutions)
・東芝デバイス&ストレージ(Toshiba Electronic Devices and Storage)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。