株式会社ポラリスとパナソニック株式会社は、2018年2月15日に、自立支援介護プラットフォームの共同開発に向けた業務提携契約を締結するとともに、同業務提携契約に基づき、ポラリスが運営するデイサービス利用者を対象にした実証実験を2018年2月15日より開始した。
背景
2025年には、3人に1人が高齢者となる時代となり、認知症高齢者700万人超、37.7万人の介護人材の需給ギャップが厚生労働省から発表されている(※1)。
このような超高齢社会に対応していくため、政府も昨年公表した未来投資会議2017(※2)のなかで、科学的介護の導入による「自立支援の促進」を掲げている。
この中では、自立支援等の効果が科学的に裏付けられた介護の実現に向け、必要なデータを収集・分析するためのデータベースを構築し2020年度の本格運用を目指すとしている。
併せて、介護の質・生産性の向上に向け、「ロボット・センサー等の技術の活用」や「AIを活用したケアプランの作成支援」の実用化も目指すとしている。
厚生労働省「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」より
※2 平成29年6月9日 未来投資会議(第10回) 配布資料 資料6 「未来投資戦略2017」概要
業務提携の概要
パナソニックが持つIoTシステムを活用した高齢者の生活実態の把握および収集されるデータのAI分析基盤と、ポラリスの持つ自立支援ノウハウ(モニタリング、アセスメント、自立支援ケアプラン)との融合により、自立支援介護を目指す介護事業者や自治体などで利用可能な自立支援介護プラットフォームを共同で開発することを目的としている。
この自立支援介護プラットフォームの構築にあたり、2018年2月より、ポラリスが運営するデイサービスを利用する対象者のご協力による実証事業を開始し、2019年度中の事業化を目指して、効果検証の取り組みを推進するとしている。
実証実験の概要
2018年2月より、ポラリスのデイサービス事業拠点「ポラリスデイサービスセンター中筋(兵庫県宝塚市中筋2-8-2)」の2名の利用者に協力頂き、実証実験を開始する。
同実証実験への協力者は、今後拡大される予定だ。
パナソニックの役割
デイサービス拠点や協力者宅にIoTセンサー/家電システムを構築・設置し、デイサービス利用時だけではなく、在宅生活においても生活リズムやバイタルの把握を行う。
また、収集されるデータのAI分析を行い、自立支援に繋がるモニタリング/アセスメント環境を整備していくことで、自立支援プラットフォームの構築を行う。
ポラリスの役割
協力者の要介護度の改善に向けて、デイサービス利用時だけではない在宅の生活状況も鑑みた自立支援プログラムの構築し、サービス提供に繋げていく。
そして、自立支援に関する独自のノウハウをベースに、自立に向けたケアマネジメント(※3)を実現できる自立支援プラットフォームの構築を行う。
※3 自立に向けたケアマネジメントとは、単に日常生活を営むためのお世話をするのでなく、自立に向けた具体的な目標(例えば、一人で入浴できる、一人でトイレができる、買い物に行ける、等)を立て、その目標達成に向けてリハビリや水分・栄養摂取、自宅の改装などを計画的進めていくことだという。
【関連リンク】
・ポラリス(POLARIS)
・パナソニック(Panasonic)
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