物流業界で使用されているパレットは、荷役・輸送・保管を行うための荷役台で、2017年度には約6,900万枚(※)が生産され、国内では数億枚が流通していると言われている。しかし、パレットには詳細な位置情報や経路情報を把握する機能が搭載されておらず、追跡・回収ができないことが多く、毎年相当数が物流の過程で紛失している。
これまで、この課題に対して位置情報追跡サービスの実用化を目指して各方面で実験が行われ、サービス化されているものもあるが、パレットの価格と導入・運用コストの問題、パレット使用途中に通信デバイスの電池交換が困難などの理由から、普及が進んでいない。
このような中、ホシデン株式会社と京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下、KCCS)は、パレットの位置管理手法を確立させるため、グローバルIoTネットワーク「Sigfox」を活用した、物流用パレットの位置管理の実証実験を開始した。Sigfoxネットワークは、IoTに特化して開発・普及が進んでいるLPWAのひとつで、低価格・低消費電力・長距離伝送を特長としている。
今回の実証実験は、オムロン住倉ロジスティック株式会社(以下、OSLC)が協力し、OSLCが管理する物流用パレットにSigfoxモジュールを搭載した通信デバイスを装着し、1時間ごとにパレットの位置情報を取得する。OSLCの拠点ごとの保管枚数や輸送中の経路・日時等の管理を行うことにより、紛失数の減少を目指す。実証実験は本年4月1日から開始されており、5月末日まで行われる。
※ 一般社団法人日本パレット協会 調査 パレット生産統計(全国推計/2018年度発表)
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