国内自律移動型ロボットおよびコミュニケーションロボット市場予測を発表
IDC Japan株式会社は、国内コミュニケーションロボット、自律移動型ロボット、ドローンソリューション市場におけるユースケース別/テクノロジー別支出額予測を発表した。
操縦者を必要とせず、自律的な移動が可能な自律移動型ロボットは、作業負担の大きい業務の代替や、労働力不足を解消する手段の一つとして流通業を中心に関心が高まっている。
同調査によると、国内自律移動型ロボット市場は、2018年~2023年において、年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)23.7%で成長しており、2023年の市場規模は561億円になると予測している。
ユースケース別では、小売や卸売などの「倉庫管理」での利用が市場を牽引している。
小売/卸売倉庫ではインターネットショッピングによる受発注作業の継続的な増加と人手不足が深刻化している。
企業は、こうした課題解決のために、商品棚やパレットを運ぶ自律移動型ロボットの導入を加速させており、さらに商品管理から出荷前の棚出し梱包までを自動化することで、作業員の作業量削減と能力に依存しないオペレーションの構築を目指している。
IDCはこのような自動化の実現に向けて、自律移動型ロボットが積極的に活用されていくと予想している。
また、人物の顔や表情を認識し双方向の対話が可能なコミュニケーションロボットは、ロボット一体当たりの価格が低く、さらに企業が一度に複数のコミュニケーションロボットを導入するような段階には至っておらず、現状では市場規模は大きくない。
しかし、同市場はCAGR 15.3%で成長しており、今後、技術的革新と共により人間に近い自然な動きや迅速な反応ができるようになることで、2023年には市場規模は22億円になると予測している。
コミュニケーションロボットをユースケース別で見ると、店舗受付や商品/サービスを紹介する「顧客サービス支援」が市場の大きな割合を占めている。
IDCは、同セグメントでは、店舗の労働力不足に伴い、コミュニケーションロボットを活用した省人化/業務効率化への取り組みが加速し、市場を牽引すると予想している。
ドローン機体に加えて運航管理や取得した動画像データの解析を含めたドローンソリューション市場は、航空法や電波法などの諸法令や政府の飛行規制もあり、市場は緩やかに立ち上がっている。
今後は、政府の規制緩和に伴って企業のドローン活用領域が拡大するため、2023年にかけてCAGR 20.3%で成長し、市場規模は213億円に達するとIDCでは予測している。
ユースケース別では、施設や建造物、プラント設備などの「点検/調査」でのドローンの活用が市場を牽引するとみている。
IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストである藤村成弘は「ITサプライヤーは企業にコミュニケーションロボットや自律移動型ロボットの活用と導入効果を具体的に提案し、ロボットを活用した業務改革コンサルティング事業に本格的に取り組むべきである」と述べている。
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