2019年9月12日、PacPortはスマート宅配ボックス「PacPort」を製品化し、クラウドファウンディングサービス「Makuake(マクアケ)」にて先行予約販売を開始したことを発表した。
今回製品化された「PacPort」は、戸建て住宅での利用を想定し、スマートロックの技術を応用した宅配ボックスである。
登壇したPacPort代表取締役社長のシェン・イェ氏(トップ画像)は、「PacPort」を開発した理由について「EC市場の伸びによって荷物数量が増加する一方で、再配達率の増加などの問題が起きている。今回の製品はそのラストワンマイルでの課題を解決するためだ」と述べた。
「PacPort」の利用方法は以下の通りだ。まず荷物を受け取るユーザーは、ECサイトで商品購入後に受け取る注文確認メールに記載された荷物の追跡番号を、専用のアプリを使って宅配ボックスの解錠キーとして登録する。
荷物を配達する側は、アプリに表示されるQRコードのキーか、もしくは荷物に表示されている追跡番号のバーコードを宅配ボックスに付いた読み取り部分にかざすことでロックを解除し、荷物を入れる。
発送から受け取りまでの状態については、クラウド上でAIが注文・配送情報を解析・整理し、荷物の状況をアプリ画面上で一括管理・確認することができるという。
会見内でPacPort・シェン氏は「PacPort」を利用するメリットとして、(1)各荷物と紐づく追跡番号をキーにすることで誤配送を防げること(2)追跡番号のキーを利用することでなりすまし受け取りを防止できること(3)ボックスに内蔵したカメラで配達人側の不正がないか監視できること、の3点を挙げた。
また、「PacPort」は下記図のような個人間での預かり荷物受け渡しにも利用できるとのこと。シェン氏によれば「フリマ事業など個人間中古品売買市場の急成長により、個人間の荷物を受け渡しの増加に対応するため」だという。
今回は戸建て住宅向けとのことだが、今後は長屋建て賃貸アパートやシェアオフィスなど、複数の人物が同じボックスを活用するような法人向けソリューションも開発を進めていくとのことだ。
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1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。