大和ハウスグループで物流システムの構築をしている株式会社フレームワークスは、「物流オープンデータ活用コンテスト」を2016年4月18日(月)から実施する。
賞金総額500万円、IoT時代における物流への新提案を、一般の開発者、研究者、学生など広く募集するという。
オープンデータは、従来組織が抱え込んできたデータをインターネットを通じ、コンピュータプログラムから直接利用できる形で公開するという動きだ。先行して英米ではすでに、個人も含め多くの人がそのデータを利用したアプリを開発することで、データを抱え込んでいる組織では考えもつかなかった多様な応用が生まれ、イノベーションに繋がる効果が実証されている。
社会が成熟した国では、数少ないイノベーションの伸びしろのための資源として、このオープンデータが世界的に注目されている。
また、賞金をかける公開コンテストは、多くの人にチャレンジしてもらう事でイノベーション加速の手段として世界的に広く行われている。
日本においても、政府や自治体などではオープンデータの動きが徐々に広まっているが、民間企業では、公共交通系など一部にとどまっている。
今回の株式会社フレームワークスの試みは、倉庫や物流関係のオープンデータコンテストであり、日本だけでなく世界的にも珍しい試みだ。
ネット通販の隆盛によりインターネットと倉庫や物流の関係は、より深く複雑になっている。ネットの世界と現実の世界の連携を進めるIoTでも、倉庫や物流は大きなテーマになっている。この分野で普通では出てこないような可能性が現れることを期待して行うのが、今回のコンテスト。
また、コンテストの募集部門としては、効率化や調査研究といった直接的なイノベーションを目指す「ビジネス部門」や「研究部門」があるが、一般に馴染みのない倉庫や物流の世界を広く知ってもらい理解してもらうということを目的に、「一般・教育・ゲーム部門」を設けた。
目次
募集部門
以下の3部門について、スマートフォンアプリ、Webサービス、ガジェット(※1)、調査研究レポートを募集する。
ビジネス部門
物流業務に役立つアプリケーション、倉庫管理業務に役立つアプリケーションなどを募集。
研究部門
倉庫や物流のデータを利用した経済や交通等の調査研究レポート、そのような調査研究に役立つアプリケーションを募集。
一般・教育・ゲーム部門
一般消費者に役立つアプリケーション、社会科教育やさらには業界での新人教育などに役立つアプリケーション、倉庫や物流のデータを利用したゲームやエデュテイメント(※2)などを募集。
※1.今回公開するデータと連携して動作する小型の電子機器など。
※2.教育(エデュケーション)と娯楽(エンターテイメント)を組み合わせた造語。
スケジュール
応募期間 : 2016年4月18日から2016年7月18日(日本時間)
表彰式:2016年9月(予定)
9月に開かれる「国際物流総合展2016」に合わせ、表彰式を開催予定。
審査
以下の審査委員による審査会を実施。
審査委員長:坂村 健(東京大学教授)
審査委員:
秋葉 淳一(株式会社フレームワークス 代表取締役社長)
小笠原 治(さくらインターネット株式会社 フェロー)
浦川 竜哉(大和ハウス工業株式会社 常務執行役員 建築事業担当)
表彰内容
賞金総額 : 500万円
最優秀賞 200万円
優秀賞 50万円 × 4
審査員特別賞 10万円 × 10
公開するオープンデータ
ユーザ登録を行った利用者に、株式会社フレームワークスの物流システムに関連した、以下のデータを公開予定。
倉庫に関するデータ
・株式会社フレームワークスの倉庫管理システム「iWMS」のデータを中心に、トラスコ中山株式会社の実在倉庫内での仕分け作業のデータを公開。産業技術総合研究所のPDR(自律航法型屋内測位)技術による作業員の位置情報、ウェアラブルデバイスから取得したバイタルデータ、環境のセンサーデータなども公開する。
物流に関するデータ
・大和物流株式会社の物流トラックのデジタルタコメーターから取得された走行記録を公開します。物流トラックの実際の走行位置の情報を含め、コンテスト期間中毎日更新。
・株式会社フレームワークスのリアルタイム貨物動態管理システム「iLTS」から抽出した、物流における到着予定時刻と、実際の到着時刻のデータを公開。
エリアに関するデータ
・大和ハウス工業株式会社の物流拠点到達エリアシミュレーションソフト「DFⅡglas」の環境を公開。
・株式会社マイクロベースの、男女別年齢人口、配偶関係・男女別15歳以上人口、世帯の種類・世帯人員別一般世帯数などをはじめとした、18のメッシュ統計を公開。
データの利用方法は、応募開始後に「フレームワークス物流オープンデータ開発者サイト」に掲載。
応募資格
・同コンテスト応募規約に同意した方のみ応募可能。
・個人、グループ、法人は問わない。
・国籍、年齢、居住地等の制限もなし。ただし、未成年者が応募する場合は、保護者又は監督者(学校の先生等)の許可を得る必要がある。
・ひとりの応募者(グループ、法人を含む)で、複数の応募、また複数のグループに所属が可能。
応募条件
・株式会社フレームワークスのオープンデータを活用すること。
・アプリケーション、レポート等の成果物は、コンテスト期間中は無償で公開すること。
・iOSアプリに関しては、締切までに申請を行いリリースされたものを対象とする。締め切り後に修正を行ったアプリケーションは無効。
詳細は、物流オープンデータ活用コンテストホームページを参照。
【関連リンク】
・ダイワハウス(DaiwaHouse)
・フレームワークス(FRAMEWORX)
・東京大学(The University of Tokyo)
・さくらインターネット(SAKURA Internet)
・大和物流(Daiwa Logistics)
・マイクロベース(microbase)
・物流オープンデータ活用コンテスト
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。