SkyDrive・大林組、人口集中地区で物流ドローン使った資材運搬の試験運用を開始

SkyDriveは2月15日、大林組と共同で、国内では初という、人口集中地区（DID）の橋梁建設現場で物流ドローンの自動自律飛行による資材運搬の試験運用を開始したと発表した。

今回の取り組みでは、SkyDriveが航空機開発のプロセスで培った技術を活用して開発した物流ドローン「SkyLift」を使用し、GPSなどのセンサーを使い、事前にプログラムした経路を飛行する自動自律飛行で運用した。

ドローンは現場内の朝礼広場から、建設中の桁上（飛行距離：約100m、鉛直距離約20m）まで、「H型鋼」「単管クランプ」「ボルトナット」の資材を運搬。桁上空30ｍに最大20kgの資材を運び、SkyLiftに取り付けられた資材をドローンからつり降ろす装置「ホイスト機構」を使って、無着陸で資材の荷下ろしを行った。

今回の試験運用では、人口集中地区（DID）での飛行は特別な申請が必要で、高い安全性が求められた。加えて、運用を実施した橋梁建設現場は、建設中の構造物と近接することから、構造物に由来する突風や地磁気の乱れなどがあり、重量物運搬用ドローン適用の難易度が高く、また、鉄道営業線近接工事のため、安全性のレベルを大幅に引き上げることが必要だった。

SkyDriveと大林組は、2019年から共同で建設現場での重量物の運搬ができる物流ドローンの活用を検討し、高速道路現場などで試験を繰り返してきた。こうした背景の中、2社では、これまでの試験で得られた知見を元にして、今回、橋梁建設現場の重量物運搬用ドローンの自動自律飛行による資材運搬に国内で初めて成功したという。

2社は、今回の試験運用で、SkyLiftが自動自律飛行で定期的に建設中の構造物上に資材運搬ができることを確認。これを踏まえて、今後は実際の建設現場で試験運用を重ね、建設現場に適した機体の開発と効果的な活用方法を検討するとしている。