RPAテクノロジーズは4月25日、松浦通運(佐賀県唐津市)が、同社のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツール「BizRobo!(ビズロボ)」を導入したと発表した。松浦通運ではツールを活用しトラックの安全運行や、業務効率化・標準化の実現につなげる。
松浦通運は佐賀県唐津市に拠点を置き、自社とグループ会社で手がけるトラック輸送を始め、唐津港での港湾荷役や倉庫・通関業などの総合物流サービスを展開。今回、「BizRobo!」の「BizRobo! Lite+」を導入し、AI(人工知能)に絡む高度なRPA開発を外部に委託する一方、社内でも可能な範囲で開発を進めた。
同社では「画像解析AIへのデータ転送」「荷物の追跡番号を専用サイトに入力、遅延が見込まれる場合に通知する業務」「固定・携帯電話の利用料金を伝票にまとめる業務」など、約10業務で合計15体のソフトウエアロボットを活用。AI関連を除く13体は、入社3年目の若手社員が作成を担当した。
対象業務の選定にあたっては、スタッフにヒアリングを実施。RPA化の対象で寄せられた候補を検証し、見込まれる時間削減効果が大きい順に開発に着手。その結果、スタッフのニーズを的確に捉え、新たな取り組みに対する抵抗感を未然に防ぐことができ、RPA活用が順調に拡大。現在はフルタイム従業員1人分にあたる年間で約1900時間相当のリソースを創出できるようになった。
例えば、荷物の配達状況確認で、社員が担う作業時間を「BizRobo!」を導入前の2割未満に短縮し、詳しい業務知識がなくとも対応できるように作業内容の簡素化に成功。慣れない作業に数時間かかりきりといった事態がRPA化で一掃され、ベテラン社員の不在時でも安定した業務進行が可能となったという。
松浦通運では、AI-OCRサービス「BizRobo! OCR with AI inside」も導入。「BizRobo!」と連携させ、工事の下請け業者となる際に必ず提出する「労務・安全衛生管理に関する書類」の登録サイトで、更新した車検証・運転免許証などのデータを反映する作業を自動化する。
また、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が、4月から中小企業でも50%以上に引き上げられることを踏まえ、特に残業の多い部署の業務内容を聞き取って簡素化する「時短プロジェクト」も進めている。今後はプロジェクトを円滑に推進できるように、社内開発者の増加やグループ会社へのロボット横展開も計画している。
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