ヤマトホールディングス傘下のヤマトシステム開発株式会社(以下、YSD)は、「MVNO事業者支援プラットフォーム」等で培ったキッティングから物流運用までの経験とノウハウを活用し、今後、家庭用ロボットをはじめとしたIoT関連機器事業者への展開を開始する。
YSDは、シャープ株式会社のモバイル型ロボット電話『RoBoHoN(ロボホン)』のキッティング支援を5月よりスタートした。今後もモバイル型を中心とするロボットのキッティング業務から故障・修理回収を含めたサービスをワンストップで提供するとともに、IoTの前提となる接続性に必要不可欠なSIM関連ビジネスにも積極的に取り組んでいくという。
経済産業省の「ロボット産業市場動向調査結果」(2013年7月公表)では、将来のロボット市場の規模を2035年には9.7兆円と予測している。また、海外調査機関による報告書では、固定型ではなく、通信機能などを備えたモバイルロボットが大きなトレンドになると予測されている。こうした状況の中、開発以外の主要工程すべてをワンストップで請け負うことができるヤマトグループとして、今後の市場拡大を見据え、今回の展開を開始した。
SIMカードに対応したモバイルロボットなどIoT製品のキッティングを支援するセットアップ・ロジサービスは、ロボット製品の入出庫・在庫管理という物流業務からSIMの登録などテクニカルな作業、本人確認、そして返品回収までをワンストップで提供するサービス。
・物流業務:ロボット製品の入出庫と在庫管理を代行。
・キッティング:
SIMの挿入及びロボット本体との紐付け処理、通電・通信確認、専用アプリケーションのインストール等、ロボットのキッティングに必要な幅広い作業に対応。本体の扱いについてはメーカーの研修を受けた同社の専任スタッフが、専用のブースに除電環境・埃除去装置・専用の治具等を準備し、工場メーカーの実質的な一部として、工場品質でのサービスを提供している。
・本人確認(音声通話が必要とされる場合):WEBによる本人確認書類の取得と申告内容との照合作業を代行。
・返品回収:初期動作不良品等が発生した場合、市場からの回収作業を代行。
導入した際のメーカーのメリットは、煩雑な作業も含め一括でアウトソーシングが可能になるため、経営資源をロボットの開発や機能強化に集中することができること。また、YSDの物流センター内で全ての作業を行うので、SIMやロボットの登録・設定作業や物流のための施設を自社で用意する必要がなく、短納期や大量の受注対応も可能である。そして、SIMについてはYSDが実際に運用しているMVNO事業者から直接供給を受けることが可能なため、リードタイムの短縮とSIMの移送コストが削減できる。
エンドユーザーのメリットは、本人確認書類の提出がWeb上でできるため、書類を郵送する手間が軽減され、申込から受取りまでの期間が短縮されること。初期不良などが発生した場合も、回収キットを使用することで、手間が最小限になるこ。
ヤマトグループが持つ機能と「MVNO事業者支援プラットフォーム」等で培ったキッティングから物流運用の経験とノウハウを活用し、ロボットの開発メーカーやIoTに関わるあらゆるデバイスメーカーに対して、物流業務からテクニカル作業、本人確認、そして返品回収までをワンストップで提供していくという。
【関連リンク】
・ヤマトHD(YAMATO HOLDINGS)
・ヤマトシステム開発(YSD)
・シャープ(SHARP)
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