株式会社ZMPは、コンピュータ制御可能な研究開発用移動台車プラットフォーム「POWER WHEEL II」(パワーホイールツー)の受注を開始した。価格は300万円(税別)(※1)。受注は既に始まっており、出荷は2017年12月の予定だ。
同製品は、大容量リチウムイオン電池を搭載し、高出力モータを用いた独立二輪駆動方式の6輪(中央部駆動輪×2、自在輪×4)台車で8時間(※2)の走行が可能。積載スペースは幅650mm×奥行950mm、最大積載重量は100kgで様々な実験機材を搭載できる。
また、標準センサとして高精度ロータリエンコーダ、慣性センサ、測距センサを搭載、オプションとして、レーザーセンサやステレオカメラ・単眼カメラ、などの搭載が可能。
外部に設置したPC(オプション)から通信機能を用いて遠隔操作の実験もでき、制御用PCとしてLinux PCを搭載。モニタ・キーボード(オプション)を接続しオンボードでの開発が可能だ。
ソフトウェア開発環境(SDK)として、各種センサ情報の取得、モータ駆動、通信(WiFi)などのライブラリとサンプルプログラムが付属。これらを用いて顧客が自由にアプリケーションを開発することができる。
近年、少子高齢化に伴う労働力人口の減少、電子商取引の拡大による配送の効率化への対応など、物流や製造現場において、自動搬送・無人搬送や移動ロボットへのニーズが高まっている。
ZMPでは、コンピュータ制御可能な研究開発用実験車両として「RoboCar 1/10」を自律移動や移動ロボットの研究開発向けに、また物流分野では作業員に自動で追従する物流支援ロボット「CarriRo」(キャリロ)を物流会社や製造業の工場での実際の運搬作業向けに販売している。
「POWER WHEEL II」は、これらの知見を活かし、様々な実験機材を搭載し長時間の実験が可能な自動搬送・移動ロボットの研究開発プラットフォームとして開発した。物流倉庫や工場内の次世代自動搬送機の研究開発、自律移動台車・移動ロボットを用いた新たなサービスの研究開発など、汎用的な移動台車ロボットプラットフォームとしての活用が期待される。
活用シーンとして、屋内平坦路で利用可能な独立二輪駆動の移動台車プラットフォームや、自律移動台車を用いた新しいサービス開発や物流システム構築が想定される。
※1 「POWER WHEEL II ベーシックパッケージ」の価格(「POWER WHEEL II」(本体)とソフトウェア開発環境(SDK)込み)
※2 稼働時間は動作パターン、制御PCの負荷状態等に依存する。
【関連リンク】
・ゼットエムピー(ZMP)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。