日本マイクロソフト株式会社は、AI、IoTやMixed Realityなどのテクノロジを活用し、三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下、MFTBC)が進めるデジタルトランスフォーメーション推進を支援すると発表した。
MFTBCは、「Connected X」というコンセプトに基づき、デジタルトランスフォーメーションを進めている。「Connected X」は、社員や顧客、デバイスやトラック、工場までをシームレスに接続することで、生産性を高め、より高い付加価値を提供するという考え方だ。
MFTBCの「Connected X」プロジェクトは、2017年7月より開始し、2019年6月までに「100%デジタルマニュファクチュアリングカンパニー」になるという目標のもと、デジタル化に関する幅広い取り組みを進めている。
現在、主なプロジェクトとして、以下の3つが進行している。
1.AIを活用したチャットボットの導入
社内ヘルプデスクにAzureベースのチャットボットを導入し、問い合わせの多いFAQに対して、適切かつタイムリーな回答を提供することで、業務の効率化を図る。
回答までに要する時間の短縮、回等内容の均一化が目的だ。今後、顧客向けの問い合わせ対応、ドライバーとメカニックの対話など、全社への展開を行い、顧客サービスや生産性、メンテナンス品質の向上を目指すとしている。
2.運行管理システム「Truckonnect(トラックコネクト)」
マイクロソフトのIoTソリューションMicrosoft Azure IoT Hubを活用したMFTBCの運行管理システム「Truckonnect」は、トラックやバスをクラウドと接続することで、車両の位置や燃料の残量などをリアルタイムに把握する。
それによりトラブルを未然に防ぎ、配車センターと情報を共有することで、より効率的な輸送や円滑な車両整備の実現を目指す(2017年10月1日より提供を開始)。
3.「Microsoft HoloLens」を活用した開発やメンテナンスの変革
エンジニア、設計者が同時に視覚化された3Dデータを確認しながら進める新たな車両の設計開発や、予兆保全を含めたメンテナンスに向け、Windows 10を搭載した自己完結型ホログラフィック コンピューターであるHoloLensを2017年中に導入するべく、両社で具体的に準備を進めている。
HoloLensでは、現実空間と仮想空間を重ね合わせた新たな空間を構築するMixed Reality(複合現実)テクノロジを活用することで、新しいデジタル体験やコラボレーション、働き方の可能性が広がると期待されている。
日本マイクロソフトは、同プロジェクトにおいて、同社のエンタープライズサービス部門が全面的に支援するとともに、顧客のデジタルトランスフォーメーション推進支援の専門部隊であるデジタルアドバイザーが課題の抽出からテクノロジを活用した解決手段の提案、導入までを一貫してサポートしている。
【関連リンク】
・マイクロソフト(Microsoft)
・三菱ふそうトラック・バス(FUSO)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。