楽天グループの研究開発機関である楽天技術研究所と無人船舶運航ソリューションの主要プロバイダーであるマリタイム・ロボティクス社は、本日、無人貨物船と関連技術の共同研究を実施することに合意した。
同合意に基づき、楽天技術研究所はコンピュータビジョンと物体認識、意思決定AI、物流最適化に、マリタイム・ロボティクス社は制御・センサーシステム、通信・制御室システムに、それぞれ重点を置いて取り組むとした。
現在の物流網はトラックによる陸上輸送が中心だ。トラック輸送は、膨大な人手と、道路、トンネル、橋梁、ガソリンスタンドなど、トラック輸送のためのインフラへの大規模投資を必要とする。
また、トラック輸送は環境汚染と渋滞の原因にもなる。今回の共同研究では、こうした問題の解決策として無人水上艇(以下、USV)の利用の可能性を探求するものだという
USVは、陸上輸送に比べて最高速度は劣るが、航行の自由と自律性によって継続的な運航が実現し、運航コストの削減と効率化が期待できる。
また、トラック輸送ほどのインフラ投資を必要とせず、現状の港湾やドック、その他の既存の海上インフラを利用しての運用が可能だ。
操作においては、コンピュータビジョンと遠隔制御技術を活用することで、オペレーターは、より正確に状況を認識・把握でき、さらにAIによる制御支援によって人間の関与を減らすことで、人的事故のリスクの低減と、オペレーターの仕事量の軽減も実現できるという。また、船舶はトラックより稼動寿命が長いため、物流チェーンの効率性向上が期待できる。
2005年にノルウェーのトロンヘイムに設立されたマリタイム・ロボティクス社は、各種提携先向けに、無人運転技術を開発してきた。高品質のシステムとコスト効率のよいソリューションに焦点を当て、無人の航空機および海上車両の開発を行っている。
【関連リンク】
・楽天(Rakuten)
・マリタイム・ロボティクス(Maritime Robotics)
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