ヘッドマウントディスプレイから始まり、VUZIXは約20年スマートグラスの研究を続けてきた企業だ。
最近ではCESやMWCの常連になりつつある企業だが、VUZIXのスマートグラスは趣味のガジェットではなく、個々の産業において活用が進んでいる。
※タイトル画像は、産業向けのハイエンドモデルM300XL
現在販売されているスマートグラスはM300XL、M300、BLADEの3機種で、OSはAndroidがベースになっている。それぞれ視界に入ったモノを認識するAR機能、モーションセンサーを搭載し、音声操作及びタッチ操作に対応している。
販売価格はM300XLが$1499.99、M300とBLADEが$999.99となっている。

具体的な活用事例として倉庫などでの商品や荷物の仕分けや工場の作業員をアシストする用途などがあるという。2019年1月にはBLADEを一般向けに販売することを発表した。Amazon Alexa、AccuWeatherやYelpなどのアプリケーションを搭載して発売する予定だ。
ブースにおいてもスキーの際のコースガイド、Yelpのレストラン情報が確認できるデモがあった。さらに、商品を手に取ってその商品を見るだけで商品情報を表示することや、テレビのスポーツ中継に評される選手を見るとその選手の詳細情報が表示されるデモも展開していた。

MWCでの展示ということもあり、モバイル通信の採用状況について聞いたところ、現状はBluetoothまたはWi-Fiに対応しているが、セルラー回線の採用の予定はないということだった。
理由としては、通信モデムやeSIMのコスト、日本においては技適審査のコストなどを挙げられた。
一般的になりつつあるWi-Fiの5GHz帯ですら屋外では基本的には利用を制限されている。さらに国によって利用できる帯域が異なる。そのため一般向けに販売されるBLADEはWi-Fiは2.4GHzのみ対応となっている。
コンシューマー向けデバイスは次々と新製品が登場している。
しかし、セルラーでの自立通信が可能となるデバイスを増やすためには、各国の法制度含めた課題が多く残されていることも見えた。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。