昨今、女性の健康を支援するヘルスケアサービスは数多く市場に出回っており、取得したデータの活用やサービスのパーソナライズ化などが推進されている。
さらに、働く女性の増加や女性活躍推進などを背景に、経済産業省および東京証券取引所が認定する「健康経営銘柄2019」の認定要件に企業の「女性の健康保持・増進に向けた取り組み」が追加されるなど、「女性の健康」の重要度が一層増している。
しかし、一方で数多くの企業において「どのように女性をサポートしてよいのか」、「女性の健康についてはセンシティブな項目もあり、手を付けづらい」との声もあり、具体的な施策を探求されている。
トッパン・フォームズ株式会社は、ウェアラブルデバイス(※)&アプリを活用し、眠っている間に女性特有の高温期・低温期を計測し、スマートフォンでその日の測定データと履歴、周期予測等を把握することができるヘルスケアIoTサービス「わたしの温度」を開発した。同サービスは本年中旬頃から提供を開始する予定だ。
従来、女性特有の高温期と低温期の把握は、基礎体温計を用いて、毎朝決まった時間に起床し・活動前に規則的かつ長時間の測定・記録を根気強く行う必要があるため、健康管理や妊活などの高いニーズを持つ女性のみが行うものとなっている。
また、測定・記録の手間やバラツキなどに課題を抱えており、簡単に周期を把握できる手法が求められていた。
「わたしの温度」は、高温期・低温期のデータから判断できる日々のタイムリーな健康や美容のサポート情報(今は痩せやすい時期、肌が荒れやすい時期、等)を、誰でも意識することなく手軽に得られるようになることで、新たな健康文化の醸成につながることが期待されている。
具体的には、ウェアラブルデバイスには、RFID関連サービスで培ってきた無線通信デバイスの開発技術や高精度な温度センシング技術を取り入れ、アプリにはデータ・プリント・サービス(DPS)やBPOなどの事業運営で確立した個人情報取扱技術や、それを基にしたデータの安全安心な保管・運用ノウハウなどが取り入れられている。
トッパンフォームズは、「わたしの温度」を女性の健康管理に関する課題解決支援のために、ヘルスケア関連サービス事業者には、ウェアラブルデバイスで取得できるタイムリーなバイタルデータを活用したヘルスケア関連商品のパーソナライズ化(付加価値向上)支援、健康経営推進企業には、福利厚生の一助として女性社員の健康管理サポートや、データヘルスへの応用支援などを検討している。
※ ウェアラブルデバイスは体温計(医療機器)ではなく、自己の健康管理をサポートするヘルスケア機器である。
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