ソニーは、腕時計のバンド部に必要な機能を内蔵したハイブリッド型のスマートウォッチwena wrist(ウェナリスト)の新モデル(バンド部)として、「wena wrist pro(ウェナリスト プロ)」(写真左2つ)と「wena wrist active(ウェナリスト アクティブ)」(写真右)を発売すると発表した。
加えて、両モデルに適したヘッド部として、それぞれwena wristシリーズ初となる機械式の「wena wrist Mechanical head(ウェナリスト メカニカルヘッド)」とソーラー式の「wena wrist Solar head(ウェナリスト ソーラーヘッド)」の2機種を発表した。
本日より「wena wrist pro」、「wena wrist Mechanical head」、「wena wrist Solar head」の予約受付が開始。また、「wena wrist active」は、2月上旬より予約受付が開始される予定だ。

下段: wena wrist Solar head(左からクロノグラフのシルバーとブラック、三針のシルバーとブラック)
「wena wrist pro」は、腕時計としての質感や高級感を追求しながら、新たに有機ELディスプレイを搭載することで通知・活動ログ機能をより便利にしたモデルだ。
従来モデルよりバンド幅と厚みを小さくすることで、体積比で約25%の小型化(※1)を実現。また、防水性能も5気圧に向上した。
「wena wrist active」は、GPSや光学式心拍センサーを搭載し、ランニングにも使用できるモデルだ。また同商品は、独自設計のエンドピースにより、睡眠やランニング時などにはヘッド部を外すことでスマートバンドとして使用できる。
シーンに合わせてヘッド部を取り付けたり、付け替えたりすることでビジネスシーンやフォーマルな場でも使用できる。両モデルともバンド部のみで販売される。
このほか、本年7月に発表された「wena wrist leather(ウェナリスト レザー)」を、12月21日に発売するとしている
wena wristシリーズは、ソニーの新規事業創出プログラム(Seed Acceleration Program)から生まれた wena project による商品だ。
wena projectは、生活を便利にする最先端のテクノロジーを自然に身に着ける「wearelectronics naturally」というビジョンを掲げており、財布や万年筆のように愛着を持って長く使用できる製品づくりを目指しているという。
目次
wena wrist proの主な特長
有機ELディスプレイを搭載、進化した通知機能
従来の7色のLEDと振動に加えて、新たにバンド部に有機ELディスプレイを搭載し、スマートフォンとの連動による電話やメール着信、SNS更新について、メッセージの送り手やタイトルの確認が可能になった。
ディスプレイ表示は、大きめの文字で1行、小さめの文字で2行の切り替えが可能で、スクロールして確認できる。

薄さを追求した部品配置
バンド内部の電子部品を、外装の曲線に沿わせるように基板上に実装することで薄さを追求した。さらに、従来モデルから幅を約2mm小さくすることで、体積比で約25%の小型化(※1)を実現した。
取り付ける腕時計の対応ラグ幅は22mmで、別売りのエンドピースに交換すると18mm、20mmの腕時計にも取り付けることが可能だ。
仕上げや着け心地にこだわることで、腕時計基準での質感、高級感を追求
「wena wrist pro」の側面は鏡面仕上げで、且つ角に丸みを持たせたデザインを採用することで、従来モデルよりなめらかな手触りを実現(※1)。
また精緻なヘアライン、上品な鏡面仕上げ、バックルの付け外し音など腕時計としての質感、そして高級腕時計でも使用されているステンレス材のSUS316Lを採用するなど、腕時計基準での高いクオリティにこだわった。
加えて、外観だけでなく内部の基板や配線、リサイクルマークに至るまでモノトーンで統一し、見えない部分への美しさを追求。また、バンドのコマ長さを約11mmと小さいサイズで統一したことで、シンメトリーな美しいデザインを実現し、サイズの微調整もしやすくなった。
防水性能を向上
防水性能は、従来モデル(※1)のIPX5/IPX7相当から5気圧へと向上した。
電子マネー機能、活動ログ機能
電子マネーの機能と活動ログ機能を独自技術で搭載。バンドをかざすだけで、全国のコンビニ、ドラッグストア、スーパーなどで買い物ができる。また、1日の歩数や消費カロリー、睡眠の状態などを専用アプリから確認することが可能だ。
wena wrist activeの主な特長
強化された活動ログ機能
「wena wrist active」は、加速度センサーによる歩数や消費カロリーの算出に加え、GPSや光学式心拍センサーを搭載しているため、ランニング中にスマートフォンを携帯しなくても移動した経路や平均速度、心拍数などを計測することができる。
また、睡眠状態の計測も可能だ。スマートアラーム機能では、眠りの状態に合わせてアラームが動作するので、快適な目覚めを手助けする。防水性能は3気圧で、ランニング中の急な雨にも耐えられる。
シーンに合わせたヘッドの付け外し・付け替えができる新デザイン
ヘッド部を簡単に着脱できるので、ビジネスの場面では腕時計、ランニングや睡眠時にはヘッドを外してスマートバンドとして使用できる。状況に応じてスタイルを変えられるため、生活のさまざまな場面で活用できる。
なお、心拍センサー搭載を可能にするダブルバックル構造や独自エンドピースの着脱機構は現在、特許出願中だという。
有機ELディスプレイ搭載で、アクティビティもひと目で確認
「wena wrist active」は、バックル部分に有機ELディスプレイを搭載。ランニング中には心拍数や移動速度を確認でき、日常生活では「wena wrist pro」同様、スマートフォン連動による電話やメール着信、SNS更新などさまざまな通知を確認できる。
電子マネー機能
電子マネー機能を独自技術で内蔵。例えばランニング中に喉が乾いたら、飲み物を購入することなどができ、財布や小銭を持って走る煩わしさから開放される。
wena wrist Mechanical head / wena wrist Solar headの主な特長
バンド部の「wena wrist pro」や「wena wrist active」、従来モデルのwena wristなどと組み合わせて使用するヘッド部として、wena wristシリーズ初となる機械式モデル「wena wrist Mechanical head」が3種類、同じく初のソーラー式の「wena wrist Solar head」が2モデル4種類、展開される。
腕時計の伝統的なスタイルであるラグジュアリーな機械式は「wena wrist pro」に、ソーラー式はスポーティなイメージで「wena wrist active」に合わせデザインされている。
ラグジュアリー感のある機械式モデル「wena wrist Mechanical head」
wena wristシリーズ初の機械式高性能ムーブメント搭載モデル。前面の風防には衝撃や傷に強い球面サファイアガラスを、また背面には機械式ムーブメントの動きを確認できるシースルーバックを採用。
キャリバーは、高品質な機械式ムーブメント「90S5」で、錘にはwenaのロゴが入っている。また、重心を低くすることで腕にフィットする着け心地を実現。
スポーティなソーラー式モデル「wena wrist Solar head」
wena wristシリーズ初のソーラームーブメント搭載モデルで、ヘッド部のみの連続動作時間は、満充電後から約6ヶ月だ。
「wena wrist pro」同様、前面の風防には衝撃や傷に強い球面サファイアガラスを採用。片面無反射コーティングを施すことで、照り返しの強い日差しの下でも時間を確認しやすい視認性を確保した。
5気圧防水を実現し、アクティビティにもフィットする、強さを兼ね備えたモデルだ。文字板は旭光の表面処理後、何重にも塗装を施すことで、太陽光を透過させながらも、高級感のある輝きを両立。クロノグラフとスリーハンズの2種類がラインアップされている。
市場推定価格
※1 従来モデル「WN-WB01S」および「WN-WB01B」との比較
【関連リンク】
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。