みなさんは1週間の労働時間はどれくらいだろうか。
厚生労働省の調査によると、60時間以上の労働者の割合は、2003年をピークに徐々に減ってきている。一方で、過労死についていうと、30代、40代が精神障害による過労死が多く、40代、50代が脳や心臓疾患による過労死が多い。
そんな中、現在主流となっている予後医療(病気になってから医者にかかる)という流れとは別に、LIFETECHによる予防医療の分野にも注目が集まっている。
先日NECの発表した「腕時計型センサーから取得した生体データを活用するアルゴリズム(ソフトウェア)」では、これまで検知することができなかった、高ストレス者の兆候を検知することができるというのだ。
実は、この手のモノはほかにもあって、超音波や電流を頭に流し込んでリラックスさせたり、ポジティブにさせたりするという気分をコントロールするものや、呼吸や心拍などを肌に張り付けるタイプのセンサーで取得し、心理状態の不安定さを検知するもの、呼吸のパターンでリラックス状態かストレス状態かを検知するものなど、多彩だ。
変わったとこだと、音声の状態をみて、その人の心理状態を計測するというものもある。
![声を解析し、コールセンターの生産性が向上 -スマートメディカル下地氏インタビュー](https://iotnews.jp/wp-content/uploads/2016/10/609d78e1d5382890b885ae4719e77241.jpg)
毎年ラスベガスで開催されるコンシューマ向けのエレクトリックショーである、CESで日産が発表したモノとしては、ステアリングを回したり、アクセルやブレーキペダルを踏むときの脳波を測定することで、実際にステアリングを切るなどの局面で電流を流し反応速度を上げるといったモノだ。
https://youtu.be/oCi6taII6Yo
[参考:NISSAN Brain to Viehicle Technology]
ココロやカラダの状態を取得したり、その結果をフィードバックしたりと、なんだか怖い気持ちにもなるが、生体情報をセンシングし、AIを活用することで、これまで知ることができなかったココロやカラダのことを知り、問題が起きる前に対処することができる可能性が出てきている。
NECによると、今回紹介した「腕時計型センサーから取得した生体データを活用して、長期ストレスを推定するアルゴリズム(ソフトウェア)」は、2018年度中に事業化を目指しているということだ。
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![IoTNEWS代表 小泉耕二](https://iotnews.jp/wp-content/uploads/2a6acab4699b4d8f1bd680d2c83361d4-e1714715519254.jpg)
IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。