損保ジャパン日本興亜株式会社は、2018年3月に全国約300か所の保険金サービス拠点に音声認識システム(※1)を導入しており、これにより、電話応対内容を記録した音声・テキストに関するビッグデータの蓄積と分析が可能となり、これらのデータを利用客への応対品質の向上に活用することを検討してきた。
そして、損害保険ジャパン日本興亜とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、NTTグループのAI関連技術「corevo(コレボ)」を活用して、2019年5月より損保ジャパン日本興亜の保険金サービス拠点で運用される電話応対ガイドAIの開発を開始する。
同開発では、まずビッグデータとして蓄積したクレドマイスター(電話応対品質が高く利用客からの評価も高い社員)の音声データ・テキストデータを分析し、これまで暗黙知のため共有が難しかった高品質な電話応対の特徴を可視化する。その可視化された特徴を活用し、利用客が「電話応対のどの部分に満足したのかを推定するAI(※2)」を開発する。これにより、利用客の満足度を左右するキーファクターが何かを把握することが可能となる。
そして、高品質な電話応対の特徴と利用客の満足度を左右するキーファクターをもとに、電話応対中の利用客が「ご満足いただいているのか」「ご不満を持たれているのか」などの感情を分析し、次にどのような言葉をかければよいのかなど、その場面に応じた最適な応対をリアルタイムでガイドするAIの開発を行う。
今後、損保ジャパン日本興亜は、AI開発の過程で得られた電話応対の特徴や新たな知見をもとに、社員の育成に活かしていくという。
※1 利用客との通話内容をリアルタイムで音声データ化したうえで、音声データをテキストデータ化するシステム(NTT Comが構築)
※2 利用客が満足したのは「担当者の応対内容なのか」「応対結果なのか」「満足したのが応対内容であれば、どの言葉や態度に満足したのか」を推定するAI
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