近年著しく発展しているAIは、労働力不足の解消や社会の利便性向上が期待される一方、社会的差別の拡大等が懸念されている。このような中、株式会社NTTデータはAIを単なる効率性確保の手段として利用するのではなく、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に沿って、個人、ビジネス、社会がAIのメリットを享受できる「人間とAIが共生する社会」を目指している。
そこで、NTTデータは人間とAIが共生する「より豊かで調和のとれた社会(以下、AI社会)」の実現に貢献するため、NTTデータグループの取り組み姿勢をまとめた「NTTデータグループAI指針」を策定した。
同AI指針は、NTTデータがAI社会の実現に向けてさまざまな技術開発、およびサービス提供を実施する際に参考とする指針である。今回、個人データの取り扱いやAIの説明可能性について向き合い、ステークホルダーとの共創を通して社会に新しい価値を提供し、AI人材の育成や客のAIリテラシー向上に積極的に取り組み、社会的受容性を向上させてAIを広く社会に浸透させていくという考えのもと、以下の5つの項目を作成した。
- 持続可能な幸福社会の実現
- 共創による新しいAI価値の創出
- 公正で信頼できる説明可能なAI
- 安心安全なデータの流通
- AIを健全に普及させる活動の推進
NTTデータは、社会の持続可能性と人間社会の幸福を重要視する。AIによる社会課題の解決を推進するとともに、多様性を認め、基本的人権に配慮し、AI適用を行う。人間とAIを敵対させるのではなく、人間の生活を支え、行動範囲を拡張する技術としてAIを活用する。
NTTデータは、AIの研究、開発、運用、利活用等に関わる開発者、提供者、利用者、受益者等のステークホルダーと対話・共創を行い、客とのロングターム・リレーションシップを築くことでAIの可能性を引き出し、イノベーションを促進する。
NTTデータは、公正で信頼感のあるAIの実現に向けて、不当な差別を起こさないように配慮し、AIの判断根拠を人間が理解できる形で提示するように努める。AIの利用に対する懸念をできる限り最小化し、適正なAIサービスが継続的に提供されるように努力する。
NTTデータは、AIサービスを提供する際にプライバシーとセキュリティーに配慮する。個人情報を適切に取得、利用、提供できる仕組み作り、データ・トレーサビリティーの確保、不正アクセスの防止に努めることでデータの悪用を防ぐ。
NTTデータは、社会へのAI浸透を加速させるため、AIに対する社会の理解を高める活動を推進する。ユーザーのAIリテラシー向上やユニバーサルデザインに配慮したサービス設計により、AIの普及に貢献する。
また、同AI指針には、NTTデータが昨年創立30周年を迎えた際に発表したNTTデータグループが10年後に目指す姿であるGroup Vision「Trusted Global Innovator」を反映している。
今後、NTTデータは同AI指針に基づき、AIの研究、開発、運用、利活用等を推進していく。
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