パナソニックは、「Vieurekaプラットフォーム(PF)」の展開を加速するため、本年6月5日に社外のパートナー向けキックオフセミナーを、東京汐留浜離宮ビルにあるPanasonic Laboratory Tokyoで実施した。
「Vieureka」は、映像をエッジ端末側でAI処理を行うIoTエッジコンピューティングを実現するプラットフォームだ。
同社は既に小売店舗向けの来客分析などのサービスを本格稼働させているが、社外の様々なパートナーとの連携によるエンドユーザーへの新しい価値創出を狙い、本年4月よりパートナー募集を行っている。
同セミナーは、パートナーとのタイアップや相互交流を促すことを目的として開催された。多岐にわたる業種の企業32社50名が参加し、多面的な視点で新しい価値提案について議論した。
Vieurekaパートナー連携で、様々なシーンでのソリューションづくりを推進

セミナー冒頭では、パナソニック ビジネスイノベーション本部エッジコンピューティングPFプロジェクトのCEO 宮崎氏より、Vieureka PFのビジョンやアーキテクチャなどの説明があった。
宮崎氏は、「我々はくらしの現場の強みを活かし 『眼』 によるセンシングに着目した。『世界の今をデータ化する新たな社会インフラを創造』をビジョンとし、映像からセンシングして、世の中をより良くすることに貢献していく。」と述べた。
Vieureka PFは、カメラをIoTエッジデバイスとして使い、意味のあるデータのみをエッジとクラウドで分散処理を行い、ユースケースに応じて多目的に活用できる。
Vieurekaパートナーには、同社からApp開発SDK、リファレンスのエッジデバイス、クラウド側のアプリ・デバイスを管理する Vieureka Managerが提供される。そのためパートナー各社は、今までIoTサービスに必要な基本機能設計などに割いていたリソースを「固有の価値を生み出す時間」に投資することができる。
宮崎氏は、「各企業が持つ画像解析アプリ、WEBアプリやカメラ、センサーなどのハードウェアとVieurekaを掛け合わせることにより、住宅、店舗、病院、工場など様々なシーンでのソリューションづくりができるようになる。パートナー連携を通して、一緒にビジネスを広げていきたい」と述べた。

Keynote1:ドラッグストア(モデル店舗)での導入事例
Keynoteでは、導入顧客であるサツドラホールディングス株式会社(以下、サツドラ)杉山 英実氏よりVieureka導入の事例紹介があった。

サツドラは、北海道を中心にドラッグストアなど218店舗を展開しており、独自路線で同業他社と差別化を図っている。今後は、北海道だけでなく日本国内およびアジアのマーケットを視野に入れて展開していく方針だ。
サツドラは現在、札幌のモデル店舗(月寒西1条店)にVieurekaカメラを83台導入し、来客分析のデータをもとに商品棚などレイアウトの変更検討や、商品メーカーにデータを開示して共同マーケティングなどを積極的に行っている。
杉山氏は「第4次産業革命が起きようとしており、企業の変革・進化が求められている。技術など培った資産を活用し、業界を超えて変革する企業が生き残っている」と述べた。
Keynote2:パートナー連携の活用事例

また続いてのKeynoteでは、社外パートナーの株式会社シキノハイテック 宮本 昭仁氏より、Vieureka活用の事例紹介があった。
シキノハイテックは、産業用の組み込みカメラなどを得意としており、Vieureka向けにより良い目を提供するハードウェアパートナーとして参画している。利用シーンに合わせて、屋外用、防水用、など様々なレンズでVieurekaの顧客をサポートしていく。
宮本氏は「このパートナー連携により、人の目を超える・見えないものが見えるカメラを実現していく」と述べた。
パートナー企業KYOSOによるデモンストレーション

また、パートナーの株式会社KYOSOの辻 一郎氏が実際にVieurekaのSDKを使って開発した内容のデモンストレーションを行った。
辻氏は「Vieurekaは簡単にクラウドにつながる所に広がりを感じてパートナーになった。いかに簡単につながるかが重要となる」と述べた。
Vieureka PFは、Pythonアプリにも対応し、また、AWSの提供機能をサポートすることでさらにパートナーにサービスを拡充していく。
(情報提供:パナソニック)
【関連リンク】
・Vieureka
・パナソニックの画像解析プラットフォーム「Vieureka」 -パナソニック 藤田氏、茶木氏インタビュー
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