昨今、ネットワークカメラの需要は伸びており、安全保安のための映像記録だけではなく、近年の画像処理や機械学習の技術の成熟により、物流や販促、新たなサービスへの活用が期待されている。
その中でも、デバイス側でプログラム処理することでセキュリティに配慮しデータ通信量も抑えることができるエッジ処理カメラに注目が集まっている。
しかしエッジ処理カメラの活用には設置の壁、通信の壁、AIアルゴリズム開発の壁があった。
株式会社ソラコムは、本年7月に発表したセルラー通信搭載で、設置し電源を入れればすぐに使えるエッジ処理カメラ「S+ Camera Basic(サープラスカメラベーシック)」において、新たにAIパートナーとの協業による用途別AIアルゴリズム提供を本年10月9日より開始すると発表した。
「S+ Camera Basic」により、専門知識なしでIoT・AI・エッジコンピューティング技術を融合したエッジ処理カメラの活用をすぐに始めることができる。
「S+ Camera Basic」は、15,000の顧客が利用するIoTプラットフォームSORACOMのテクノロジーとIoT活用シーンにおけるノウハウを結集して開発された。
SIカードの持つ認証機能と通信、SORACOMプラットフォームを用いることで、エッジ処理カメラ活用に必要となる通信、デバイス管理、AIアルゴリズム管理、撮影データのクラウド連携までをパッケージ化している。
カメラ本体に通信モジュール、SIMカード、カメラ、電源を一体化し、設置して電源を入れるだけで使い始めることができる。
さらに、遠隔からセルラー回線経由でセキュアにカメラ内のAIアルゴリズムの入れ替えや、通信接続状況のモニタリングができる。
S+ Camera BasicにおけるAIアルゴリズムは、汎用プログラミング言語Python等を使うことができ、開発者が取り組みやすい構成となっている。
また、カメラへの遠隔アクセスや各種設定などもSORACOMプラットフォームでサポートされるため、AIアルゴリズム開発者はハードウェアを意識することなく開発に集中することができる。
「S+ Camera Basic」は、AIパートナーとの協業により専門的なAIアルゴリズムの利用が可能になるという。
これまでカメラ内のAIアルゴリズムは、用途に合わせてユーザーがAIアルゴリズムを自社開発する必要があった。
しかし、今回の協業によりアクロクエストテクノロジー株式会社と株式会社ABEJAの2社がAIパートナーとなり、「S+ Camera Basic」に連携したAIアルゴリズムを提供することで、「S+ Camera Basic」の利用者は、工場のラインの可視化や、店舗での動態管理などのAIアルゴリズムを選んで活用したり、自社向けAIアルゴリズムを開発する際に画像ノイズ除去や輪郭推定などの下処理をノンプログラミングで利用できるようになる。
今後AIパートナーは、500以上が参加するソラコムのパートナープログラム「SORACOMパートナースペース」を通じて順次拡充していくとのこと。
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