昨今、地域コミュニティ内の関係性が希薄化する傾向にある中、高齢者の社会的孤立などが問題になっている。そのため、とくに一人暮らしの高齢者については、家族や行政職員などによる定期的な訪問・連絡により、生活状況を十分に見守ることが求められている。
また、東日本大震災の被害を受けた地域は、長期間の避難生活を経て、若い世代が減少したことに加え、コロナ禍を受けて住民の互助活動や見守り活動が自粛を余儀なくされるという課題が生じていた。
こうした状況の中、社会福祉法人 浪江町社会福祉協議会、NTTコミュニケーションズ株式会社、NTTレゾナント株式会社は、福島県双葉郡浪江町において、通信SIMを内蔵したIoT電球とスマートフォンアプリなどによる自治体向けの高齢者見守りサービス「みまもり電球」を、2021年4月1日から開始することを発表した。
「みまもり電球」は、家の玄関やトイレなどに通常の電球と同じように取り付けるだけで、電球の点灯記録を、福祉担当職員のスマートフォンなどに通知することができる、というものだ。
これにより、一人暮らしの高齢者の生活に異変がないかどうかを、プライバシーに配慮しつつ、簡単、安価に把握できる。
さらに、複数の高齢者の状況を一元的にチェックすることが可能だ。

浪江町における高齢者見守りサービスの展開について
「みまもり電球」の点灯記録が、自動でサーバーに蓄積される。
設置された「みまもり電球」が長時間消灯していた場合や、長時間点灯していた場合、スマートフォンアプリやメールで浪江町社協の福祉担当者に通知が届く。
また、専用の管理画面で、点灯履歴一覧を閲覧することも可能だ。
これにより、浪江町社協では一元的に複数の高齢者の生活や健康状況を推察することができるため、適切なタイミングでの訪問や電話連絡などに活用することができる。
「みまもり電球」の特長
- 取り付けが簡単
使い方は通常の電球とまったく同じで、電源に繋いだり、インターネットに接続したりする必要がない。また見守られる側も、通常通り照明を点灯するだけで、特別な操作をせず簡単に利用可能。このため、自治体などにおいて一括導入する際も、手間をかけずに導入することができる。 - プライバシーに配慮
詳細な行動履歴を取得したり、聴取したりすることなく見守ることができるため、見守る側、見守られる側双方にとってプライバシーを保護するための負担を抑えることができる。 - 安価に利用可能
電球1個あたり月額638円(税抜580円)から利用可能。なお、通信費用も含まれており、月内は定額。(※1) - 効率的に管理可能
法人・自治体などの福祉業務での活用を想定し、パソコン(ブラウザ)上で複数の電球を一括管理する機能や、福祉職員ごとの情報閲覧範囲の制御機能も備えている。(※2)
※1 浪江町においては、浪江町社協が見守り対象の高齢者に「みまもり電球」を無償で配布し、運用費についても浪江町社協が負担するため、見守られる側の費用負担はない。
※2 オプション機能として提供。月額11,000円(税抜10,000円)。
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