物流倉庫においては、荷物の保管や出庫にかかわる多くの業務を人手によるマニュアル作業で管理しているケースがある。そこでは荷物の取り間違えや、取り間違えによる戻し費用の発生などの問題だけでなく、在庫数量の正確な把握、棚や倉庫内の空きスペースの有効活用、人員不足による配送遅延の解消や人件費の抑制など、現行の在庫管理ソフトウェアを使用している場合でも、解決しなければならない課題が多いのが現状だ。
近年のインターネット通販市場規模の急増とともに物流量が増大する中、マニュアル作業を削減し、既存の倉庫管理システムの改修コストをかけずに、効果的な運用へのシフトが求められている。
東京エレクトロン デバイス株式会社は、TOKYO ELECTRON DEVICE AMERICA, INC.が開発した、物流倉庫の自動化・効率化をサポートするシステム「HAKO-FLO」を用いて、日本国内の顧客倉庫において省人化やコスト低減を可能にする物流管理サービスの実証実験を開始した。
HAKO-FLOの主なサービス内容は以下の通り。
- RFID:箱の情報を端末で素早く計測、受入れや棚卸業務を効率化
- LIDAR:センサー内蔵タブレットで入荷する箱の大きさを自動計測
- Eye:在庫数、箱の位置スペースをAIで自動検知し、作業者に通知
- Tracking:箱の状態、場所を受け入れから出荷まで追跡(現在開発中)
- Cloud:箱に関するあらゆるデータをストレージ・シェアして見える化を行う(現在開発中)
同実証実験では、ユーザーが使用している既存システムで発生する入荷時や出庫時の「計測」「検品」「在庫管理」「棚卸」インボイス作成や帳票ラベルなどの「書類作成」の5つの業務を、クラウドやオンプレミスで提供する専用のソフトウェアで管理する。これにより、人手のかかるマニュアル作業を見直し、自動化することで適切な人員配置につなげる。
また、既存のシステムと連携することでサービスの一部だけでも利用可能で、倉庫作業に合わせ最適な形に組み合わせた運用を可能にする。これによって、倉庫業務におけるさまざまな課題を解決し、効率化に貢献する。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
膨大な記事を効率よくチェック!

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。