東芝エネルギーシステムズ、キューブ型自立電源を採用した「省電力無線IoTソリューション」の運用開始

これまで、山間部に設置された近隣の雨量観測局から広域での雨量データを入手していたが、特定地域のピンポイントの雨量データの入手はできず、所望の地点の降雨状態を精緻に把握することは困難だった。

東芝エネルギーシステムズ株式会社は、太陽光由来の箱型(キューブ型)自立電源を採用した「省電力無線IoTソリューション(Low Power IoT Solution)(以下、LPIS)」を株式会社明光社へ納入し、運用を開始した。

LPISは、山岳地などの携帯電波の届かない地域であってもLPWA(※1)省電力無線マルチホップ技術(※2)を用いて安定的なデータ送信を可能とするソリューションで、サブスクリプション方式でサービス提供も可能だ。

センサノードと呼ばれる無線機から920MHz帯の電波で送信されたデータは、中継器によりバケツリレー形式で伝送され、コンセントレータに集約してから収集装置に蓄積される。センサノードや中継器は、独自の省電力設計により乾電池や自立電源で長期間作動させることができ、中継器を設置するだけで簡単に無線ネットワークを構成することができる。
東芝エネルギーシステムズ、キューブ型自立電源を採用した「省電力無線IoTソリューション」の運用開始
同運用では、宮崎県企業局が管理する山間部にある送電鉄塔を活用して、無線中継ノードとそれを駆動する太陽電池パネルと東芝のSCiBTM技術を応用した蓄電池(リチウムイオン2次電池)を内蔵した小型のキューブ型自立電源を設置し、特定地域の雨量データをピンポイントで収集する。

具体的には、水力発電所から尾根沿いに設置された送電鉄塔に計4台の中継器を設置し、総延長約2kmの無線ネットワークを作り、尾根の反対側の雨量データを920MHz無線で収集したあと、水力発電所建屋で局内専用回線に載せ替えて市街地の制御所に伝送する。また、雨量計測局近隣の環境に配慮し、雨量計やセンサノードは環境色で塗装されている。これにより天候に左右されず、電池交換不要で環境にやさしいソリューションを提供する。

今後東芝エネルギーシステムズは、今回の受注を機に、無線ネットワークを利用したLPISによりレジリエンスの観点から自治体向けBCP(※3)のソリューション提供を加速していくとしている。

※1 LPWA(Low Power Wide Area):省電力で広域をカバーする無線技術の総称。
※2 無線マルチホップ技術:リレー方式でデータを中継することで広い通信範囲をカバーすることが可能な通信方式。
※3 BCP(Business Continuity Plan):事業継続計画

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