従来、環境データのセンシングシステムには有線式が用いられることが一般的だ。有線式の場合、配線の都合によりセンサの設置場所が壁や天井に限られるため、必要な室内環境データを十分に収集することができなかった。
そのため、電波などを利用した無線式のセンシングシステムの開発が進められていいるが、無線式センサの電源は電池が必要なタイプが主流であり、電池交換などの維持管理に手間がかかるのが現状だ。
そこで竹中工務店、日本アイ・ビー・エム、マスプロ電工、NTTコミュニケーションズの4社は、RFIDタグによる室内環境センシングシステムを共同開発し、横浜市役所とNOK本社ビルに導入したことを発表した。
同システムは、RFIDタグと温度センサ等を組み合わせた環境センサを、アンテナからの電波で起電させ、データを送受信し、室内環境データの収集を可能とするシステムだ。

➁RFIDタグが電波を受信して、電気エネルギーに変換し環境センサが作動
③RFIDタグが電波でセンサデータを送信
④アンテナがセンサデータを受信
システムの特徴は、RFIDタグを電波により起電させることにより、無線式でありながら電池交換が不要。アンテナは、データの送受信に使用できるためシステム拡張が容易だ。
また、アンテナの電波が届く範囲においては複数データを同時に読み取ることが可能で、移動しているRFIDタグの読み取りを行うこともできる。
さらに、1台ずつアンテナを起動させるので、電波干渉の抑制をすることが可能だ。
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