近年の製造業界では、クラウドベースのソリューションを導入するシーンが増えている。クラウド環境に接続して装置のデータを利活用するためには、MQTTなどのプロトコルを使用する必要性から、Windowsなどの汎用OSを搭載した産業用パソコンの導入を検討することが一般的だ。
そのため、OSのライフサイクルに合わせたソフトウェアアップデートの必要性やセキュリティー対策、導入におけるコストや定期的な再起動の手間などが、クラウドソリューション導入の妨げとなってきた。
逆に、汎用OS非搭載のPLCやHMIなどからクラウドやデータベースとの接続を行う場合には、別のハードウェアやソフトウェアを追加する必要があり、システムの構成部品の増加によって仕入れや保守メンテナンスが煩雑になってしまう点や、特殊なシステムインテグレーションが必要になるなど、設計において課題が多かった。
そうした中、シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社は、「Pro-face by Schneider Electric」(以下、Pro-face)が展開するIoTゲートウェイのSTM6000シリーズに、クラウドとのダイレクト接続が可能な「BLUE Open Studio対応モデル」を、2022年8月1日より提供を開始する。
Windows OSに代表される汎用OSではなく、リアルタイムOSを搭載したIoTゲートウェイ「STM6000シリーズ」に新しく追加された「BLUE Open Studio対応モデル」は、同じPro-faceブランドより展開するラインマネージメント、Lite SCADA/HMIソフトウェア「BLUE Open Studio」による設定に対応するモデルとして発売される。
BLUE Open Studioが持つクラウドやデータベースとの接続性を継承し、専用機でありながらクラウドまでの接続設定をハードウェア1種・ソフトウェア1種のみで行うことができる。
これにより、24時間365日の稼働やシャットダウン処理無しでの電源OFF耐性などの専用機が持つメリットと、シンプルな機器構成でのクラウドやデータベースへのダイレクト接続を両立する。
更に、シュナイダーエレクトリックは、装置の稼働状況をクラウドで常時監視するソリューション「EcoStruxure Machine Advisor」や、ファミリーブランドであるAVEVAの産業システム用高速時系列データベース「AVEVA Historian」などの同社の上位のソリューションに、導入しやすいエントリー機としてSTM6000シリーズとを組み合わせたIoTソリューションを提案する。

無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。