工場や倉庫・配送会社、さらには社会インフラシステムのように、多くの設備資産を使って事業を展開している企業にとって、設備資産の効率的な活用と故障による業務影響の最小化は重要なテーマである。また、使用電力の最適化やCO2排出量の削減など環境に配慮したエネルギーマネジメントも、SDGsの観点で重要視されるようになってきた。
これらを実現するためには、現場や設備機器のセンサーなどから得られる構造化データと、ログやカメラから得られる非構造化データの両方を活用することが求められる。たとえば、設備の故障予兆の検知においては、設備に付けたセンサーデータと、設備から出力されるログデータやカメラによる画像データを合わせて分析することで、精度を高めることができる。
株式会社DATAFLUCTと東芝デジタルソリューションズ株式会社は、施設管理のデータ活用を促進するデータ分析プラットフォームの提供を開始した。
同プラットフォームは、東芝デジタルソリューションズが持つ構造化データのリアルタイム分析が可能なクラウドデータプラットフォーム「GridDB Cloud」と、社内外のさまざまなデータの集約や非構造化データの構造化に強みがあるDATAFLUCTのノーコードクラウドデータプラットフォーム「AirLake」を連携させることで実現した。
従来は別々に用意していた構造化データ用のデータプラットフォームと、非構造化データ用のデータプラットフォームを融合させることで、より複雑なデータ分析が可能になり、電力使用量の可視化やコントロール・削減を通じたエネルギーマネジメントのほか、制御装置の挙動のリアルタイムでの収集・可視化などによる故障予兆検知の精度向上に貢献する。
IoTにおいては、データ収集、データ蓄積・加工、分析のステップを踏むが、同プラットフォームはデータ蓄積・加工を担うものである。データ収集はサードパーティーとの連携を推進し、分析は東芝デジタルソリューションズとDATAFLUCTが持つAI技術を活用する。
また、同プラットフォームの提供開始に伴い、ユースケースを中心にまとめたホワイトペーパー「施設管理におけるエネルギーマネジメント・故障予兆検知を実現するデータ活用アプローチ」を作成した。同ソリューションの技術的な説明と、商業施設のデータ活用にどのような効果を与えるかについて紹介されている。
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