TOPPAN株式会社と、株式会社トータルメディア開発研究所(以下、トータルメディア)は、博物館や科学館などが保有する文化財や研究資料について、メタバース上での授業形式と学芸員等との双方向コミュニケーションを通じて学習ができる、スタジアムシアターを開発した。
このスタジアムシアターは、先生役であるサイエンスコミュニケータが授業形式で説明を行う空間と、博物館や科学館等が保有する文化財や研究資料を、高精細映像や3Dアニメーションで忠実に再現したコンテンツ制作がセットで提供されるというものだ。
3Dアニメーションの再現コンテンツは、アバターと同スケールで制作できるため、実際のサイズ感や規模感をリアルに感じることができる。
また、自然現象や博物館の展示物を再現した3Dアニメーションは、物体の変化や物理的に見えない力をわかりやすく表現することが可能。参加者は展示品の特徴が分かりやすい角度や、普段見ることのできない位置からなど、あらゆる角度で対象物を観察することができる。
スタジアムシアター内では、コンテンツの放映に加え、サイエンスコミュニケータや参加者同士がコミュニケーションを取ることも可能だ。

また、サイエンスコミュニケータのアバターの後ろを、来場者のアバターが自動で追従することができる「引率者自動追尾機能」や、特定の場所を明かりで照らす「スポットライト機能」があるため、案内したい場所への誘導を行うことができる。
これにより、博物館等は、このスタジアムシアターを活用して、イベントや学習会などの教育プログラムを行うことが可能だ。
なお、スタジアムシアターはTOPPANが提供するメタバースサービス「メタパ」のシステムを活用して製作・運用されている。
現在、産業技術史資料であるタービンが自然エネルギーの一つである水力を利用し、電気を発生させる過程について、サイエンスコミュニケータとともに理解を深めていく双方向型の教育プログラムを制作中で、2023年度中に公開予定だ。
今後は、国内外の博物館・科学館・産業博物館・イベント企画会社などに向けてスタジアムシアターを展開し、メタバースを活用した教育プログラムを開発するとしている。
なお、2023年10月10日に国立科学博物館で開催される国際シンポジウム「Artefacts2023」内で、スタジアムシアターの発表が行われる。
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